権力者の性差
漠然としたイメージだが、男性と女性とで権力者になった場合の意識に差がある気がする。
男性は私を公と見て、女性は公を私と見る。
どういう事かというと、男性は自分自身を公的機関と同一視してみるが、女性は公的機関を自分自身と同一視してみる。
違いが分からないと思うので平たく言うと、男性は組織重視、女性は自分重視という事だ。
勿論、どちらが良いとは言わない。どちらも長所も短所もある。
組織重視ならば、組織の運営は上手く行く。上手く運営すれば実績も上げられるが、部署間の利害関係の調整などにも神経が回るため、改革という事になれば手間取るし、組織重視が行き過ぎれば市民が置き去りにされる。
自分重視というのも権力を私物化すると言っているわけじゃない。権力は自分のものなんだから自分の好きなようにやってよいと考えているという事だ。そのため、改革という事なら動きは早くなる。だが部署間の利害関係の調整など目もくれないし、これが良いとなれば、副作用を考えずに断行するので組織に混乱を招くかもしれなし、効果より副作用の方が大きくなるかもしれない。下の者も大変だ。そして、悪くすれば、その改革の内容が本人は良いと思っていても実は間違っている、となっても周囲の声を聞かずに自分が正しいのだとやってしまいかねない。
ドイツのメルケル首相の移民政策なども、難民を救うという人道的な観点からは良い事なのだろうが、ドイツ国内の治安や、他のEU諸国への影響をちゃんと考えたのかと思う。
※ドイツに行くまでにEU諸国を通らなければ行らず、その途上の国に難民が殺到し問題になり、しかも、自分が招き寄せたのに、他のEU諸国にも難民受け入れの分担を求めている。
これだけ書くとメルケル首相が全然ダメな権力者に見えるが、首相4選確定らしいので、当然、良い政策もやっている。ドイツは経済が成功し、EU内で大きな発言力を持っているし、国民はそれを支持している。
現在、東京都知事の小池さんが新党を立ち上げたが、確かに彼女は改革を速やかに進めるかも知れない。ただ、改革すれば良いというものではなく、問題はその内容だ。
しがらみを断ち切るというが、断ち切るのは改革の手段であって目的ではない。じゃあ、彼女がどう改革したいかと言えば、正直、良く分からない。
公約として原発0を掲げているらしいが、昔から原発0と言っていたんだっけ? 小泉元首相に原発0を争点にすれば勝てると言われたらしいが、選挙の為に自分自身で考えても居なかった政策を進めるというのだったらどうかと思う。
女性権力者の批判に聞こえるかもしれないが、やろうとする事が正しければ女性権力者の方が上手く言うのではないかとは思っている。だが、選挙に勝つために思っても居ない政策を進めるような人はどうかと思うと言っているのだ。




