ネタバレキーワードの功罪
小説を書いて投稿する際、恐らくは殆どの場合何らかのキーワードを付ける事となると思う。
題名、粗筋に次いで重要なポイントと考える向きも多いかと思うが、私としては「不思議な傾向だなぁ」と感じる部分がある。
これって明らかにネタバレだよね?
と、言うラストの予告文言『ハッピーエンド』『バッドエンド』。
『NTR』なる展開の暴露等、諸々……。
因みに“NTR”とは何の会社名なのか分からない私は、仕方ないので調べてみた。
凄い!“寝取られ”という意味らしい。何だかAKBみたいな使い方だ。タレントだかミュージシャンだかのDAIGO氏も、こういった言葉を使っていた気がする。
あれ、なんの話だ?
まぁ、恋愛小説などは確かに「ハッピーエンド以外読みたくない」というのも何となく分かる気がするが“バッドエンド”とわざわざ銘打っているのは『バッドエンド好きの方向き』では無く「バッドエンドですので覚悟しておいてね」と言う保険なのだろうし『NTR』も然りである。
そう考えれば粗筋における「〇〇の苦手な人は~~」というのも、そういった意味かもしれない。
分かる。凄くよく分かる。
異世界、チート、ハーレム、主人公最強etc.を付けるのとは逆で、検索に引っかかって欲しくて付けてる訳では無い注意書き。ハッピーエンドは需要が有るから違うだろうが……。
(当然大人気キーワードを検索から除外するために使う方もおられるし「NTR大好き!」と言う人がいてもおかしくは無いが、今日の内容からは論点が広がり過ぎるのでまたの機会があったらと言う事で)
かく言う私も保険を掛けたくなってしまう人だが、幸い(不幸だろ)にして、それ程多くの方の目に留まらない作品なので当然文句も出ない。良いか悪いかで言えば良い訳無いのだが、呑気にネタバレを付けずにすんでいる。
ただ、これが書籍の帯ならば「衝撃のラスト!」とか言ってちっとも衝撃じゃない位、展開は内緒だ。
むしろ「犯人は〇〇!!」なんて書いてあったら、かなり斬新だろう。(刑事コロンボとか古畑任三郎ならば無くも無い)
本は(完結本なら)一冊買ってもらえれば余程の事が無い限り話の最後まで読んではくれそうだし、もっと言えば買ってもらえた時点で何かは達成している。
だが、無料の連載はそうはいかない。最後まで読んでもらうには工夫が必要になる。
好まれない展開が含まれる場合には『お断り』を付けておくのがお互いのためなのかもしれない。
しかし……。
途中で読むのを止めたくなる展開は読者もガッカリなのだろうが、最初から分かっている話は面白いのだろうか?
どのくらいの人がそれを望み、どれ程の人が望まないのか。
つまりは「どれだけの情報をキーワードに盛り込んだらいいんだ!」
という、悩ましい問題をそこそこの作者が抱えているのです。多分。
そこのあなた! どう思いますか?
何の断りも無しに、いきなり好ましくない展開が訪れたら……。
当エッセイは「ネタバレキーワード」を付ける事が良くない事だと言っているのではありません。キーワード欄は作者側が「ハッピーエンド」を保証するなどの意気込みを示される場合もあるというご意見も頂きましたので、誤解無きようお断りさせて頂きます。