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神様のRPG ー転生した世界で俺は神託に左右されるー  作者: ゆっち
第二部 血塗られた森の再来編
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第二十話 冒険者の空気

 また数ヶ月が過ぎた。

 その中で一大イベントである出産があったのだが、流石はメイドたち。ものの数時間で終わり、妹が出来た。


 ヒストリア・グローリー。


 俺の妹だ。

 そして、世界は何事もなく進んで行く。



 鍛錬も進み、カティも動きが良くなった。もしかして、と思って聞いてみるとやはりカティの誕生日だったらしい。カティは俺より少しだけ早い誕生日を迎えた。



 そして、今日。カティよりも遅い俺の誕生日だ。そんな時、神様がいつも通りに俺のベッドで寝転がり話しかけてきた。


「レベルアップってさ、結局あと何日?」

「んー、ステータス見る限りだと恐らく明後日の夜には上がるね。前に(ウルフ)倒しまくったから日にちがまたずれてきたみたい」

「教会には今日行くから、じゃあ間に合うんだね。何の職業にするか決めた?」


 職業。これがまだ考えていなかったのだ。取り敢えず上級職を選ぶのが確定しているが、魔法特化にするか、剣も使うか。色々と選択肢があって困ってしまう。


「多分魔法剣士を選ぶとは思うよ。バランス型だからね」

「じゃあ、教会に行って帰ってきたらすぐに職業の割り振りしないとね」


 会話をある程度続けて、話しすることも無くなり、二人揃ってくつろいでいるとリリシアに呼ばれた。どうやら、誕生日パーティーのようだ。きちんとパーティーの準備が終わるまで部屋で待機していた俺は流石だと思う。割とマジで。


 パーティーも滞りなく終わり、翌る日の教会。これも滞り無く終わった。神父さんがレベルを見て驚いていたが、カンザキとの努力の結果だ。模擬戦で鍛えたと言ったら納得してもらえた。


 しかし、一番驚いたのは神父さんが俺に見せたステータスウィンドウだ。模擬戦時にメニューが出てきて、これが普通だと言われたことがあったが、本当だった。

 このほかにもギルドの任務などもメニューが出てくるらしい。かと言って常時使えるのは俺だけの特権だ。やたら無闇に吹聴するのだけは止めておこうと思った。


 そして、終わった後に俺が一つだけ気になったことができ、それをスティアに質問する。


「カンザキから何も連絡が来ませんし、お父様も何も連絡が来ませんね」

「……そうねー。じゃあリア、一回あっちに戻ってみる?」

「良いんですか?!」


 しかし、考えてみれば簡単な話だ。出産のための帰省だったのだから、出産が終わった今、戻ることには一切問題はない。


「まぁ、私はヒストリアと一緒にいるからリリとクラウスさんと子供達で遊びに行く感じで」

「分かりました。準備してきます!」


 屋敷に到着後、イヴに聞くと一瞬で了承を得た。カティに関してはステータスを書き写した紙と睨めっこしていたのだが、何とか許可を取った。途中で神様が何か言っていた気もするが、今は気持ちが焦る一方だ。


 ーーカンザキに会える!


 荷物整理……例に倣って武器ぐらいしかない……を終え、クラウスが準備した荷馬車に乗る。

 そして、五人が揃ってすぐに動き出す。


「リ、リア。寒いー」

「はいはい、火属性と風で良いかな」


 魔法の併用で適当に温風を作り出す。少ししか積もってないとはいえ、寒いものは寒い。俺も急いで魔法を準備する。


「神父さんが言ってましたけど、本当に使えるんですね」

「そういえば隠してたけど、あの神父さんの叫び声でばれたんだよなぁ……」


 その後は賞賛されただけでお咎めが無かったので、本当に肩透かしだった。何のために隠してきたのだろうと、本気で思ったぐらいだ。


「能力値自体は見てないよね?」

「神父さんが叫んだ魔法と、レベル以外のことは知りませんよ?」


 それは本当に助かる。魔力系統が百万越えしてた件に関しては、ばれたくない。


「リアは本当に凄いな……」

「カティも凄いだろ? 俺なんか未だに精霊術使えないからな。雪も精霊の一つだって本に書いてて、こんなに雪降ってるのに分からないとか、才能なしかも」


 苦笑気味に俺が自虐する。精霊は万物の魔力に宿るゆえに、雪や水にはたくさん含まれるているらしい。しかし、こんなに近くにあっても何も感じることができない。

 前にカティに聞いたときは、雪についている精霊はイヴ並みにうるさいと言っていた。


「こんなの……」

「どうした?」

「何でもない」


 カティとの会話はこれきりで、あとはリリシアやイヴと会話をして馬車は順調に雪原を走っていった。


 そして、約一年ぶりの別荘に着いたのだがガウェインは勿論帰ってきていなかったため、ギルドの方へと向かうことになった。

 前に来た時とギルドは……


「何があったんだ……?」


 全く違い、活気が消え失せていた。受付嬢は前と変わらずいるが、受注をしようとする人が誰もいない。精々数名。

 その中の一人が俺たちを見るなりに近づいてきた。


「クラウスさんか? アンタらなんで戻ってきたんだ?」


 中年の男はクラウスの知り合いのようだ。確かにクラウスならばこの村によく来ているので知り合いがいてもおかしくない。


「少し様子を見ようと……それよりも、この状況はどうしたんです?」

「へっ……あの黒い森に人員が割かれてんだよ」


 瞬間、クラウスとリリシアの表情が険しくなった。


「ダークエルフ……そんなに強いのですか?」


 前に聞いたことがある名前だ。ダークエルフ。黒い森の話が出るたびに、反応するエルフたちとこのダークエルフは一体何の関係があるのだろう。


「俺たちの攻撃なんか一瞬で薙ぎ払われる。あのカンザキだって……」

「先生に何かあったんですか!?」


 カンザキの名前が出てきたせいでつい反応してしまった。考えてみればカンザキもあの黒い森に向かったのだ。何かあったのかもしれない。そんな不安感が俺の中でざわめき出す。


「あぁ。キミがリア君か……カンザキに伝言を頼まれてるんだった。森の前に仮拠点があるからそこに来てくれだってよ」

「分かりました! ありがとうございます!」


 話を聞くなり、俺は駆け出した。


 クラウスに馬車の準備を急がせ、森の前の小屋へと向かう。森の前ならばダークエルフが出てこないという情報を先ほどのおじさんからも貰い、馬車での会話は弾んで行く。

 主にイヴがカンザキに興味を持ったらしく、俺がカンザキがこの世でどれだけ素晴らしい人間かを説いた。しかし、何故だかリリシアも含めた女性陣の顔が若干引きつっていたような……何かミスったか?


 馬車に揺られて三十分程度、森の前には見慣れないテントがたくさん密集してあった。これが話に出ていた拠点なのだろう。大きいテントから小さなテント、恐らく小さいテントは個人用であろうと目星をつけて俺たちは大きいテントへと向かった。


 そして、テントに入るなり、ギルドとは対照的なソレに驚いてしまう。


 昼間からエールを飲んでワイワイガヤガヤ。ギルドの活気をそのままこちらに移したかのようだった。いや、それよりエール飲んでる暇あるなら働けよ。と、思わずにはいられないが、ダークエルフの出没は夜だけらしく昼間はやることがないらしい。


 そしてエールを飲んでいるおっさんの中でも、特にお腹が出てる人が俺たちに近づいてきた。


「おう坊主たち! んなとこで何してんだぁ?」

「あぁ、えっと、自分はストーリア・グローリーです。カンザキユウナの弟子でして……」

「おおー!! お前がカンザキのとこの優秀な弟子か! 話は聞いてるぜ。カンザキは今は森に警備の時間だから、ここで待ってろって」


 どうやら相手は俺のことを知っているらしく、カンザキという名前を聞いた瞬間に俺の頭をポンポン叩く。カンザキが有名なことは嬉しいが、優秀な弟子などと言われるのは少しだけ照れる。しかし、嬉しいのでここは素直に受け取っておこう。まぁ、なんて言ったってあのカンザキの弟子だからな! 流石俺! ……ちょっと調子に乗りすぎた。


「絶対待ってないといけないですかね?」

「んー……すぐに会いてぇならあと三十分で俺たちのメンバーと見回りが交代だから、俺と一緒に来るか?」


 交代三十分前にお酒を飲んでいるというおっさん。少し……というか、かなり不安だが、早く会えるのならば願ったり叶ったりだ。


 俺はクラウス達を見て、無言で了承を得たのちに、


「それじゃあお願いします」


 と、頼むことにした。


 そして、待つこと三十分。中年おっさんが鉄の甲冑などを着込んで大きなテントに戻ってきた。


「こっから先は一応魔物が出るから気を付けろよ。まぁ、大牙狼(ウルファング)を倒したことがあるお前さんなら問題ないと思うがな!」

「はい。先生の弟子ですから。俺のことは気にしないで他の人達優先でお願いします」


 おっさんに言われるがままに応じた俺に、周囲の冒険者たちが爽快に笑う。


「流石カンザキ先輩の弟子だわ! 期待してるぜ!」「きみみたいのが冒険者になるのが楽しみだよ」「大牙狼(ウルファング)ぐらいなら俺も……」「そりゃ無理だ」「んだとオラっ!」


 その光景を見て俺も笑う。この様な楽しそうな雰囲気の冒険者たちを見て、何と無く将来は冒険者になりたいと少しだけ思うのであった。

 ここで冒険者達が出ないでカンザキと会うお話を組み立てていたのですが、やめました。


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 SAOのゲームやって執筆が進みませんw

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