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200字小説・300字小説

凍り枕

作者: 柿原 凛

 久しぶりに熱が出た。普段健康体な俺は体の不調に何の耐性もない。心も体もしおれきってしまった。

 こんな時、誰かが隣にいてくれたらな。

 そんな時、俺はふと思った。

 いて欲しい時にいてもらえないのが負け組。

 いてもいなくてもいい時にいてもらえるのが勝ち組。

 久しぶりにアイツにメールしてみようかな、とも思ったが、やめた。

 彼氏がいる奴に看病を頼めるほどの勇気は俺にはなかった。

 氷枕を冷蔵庫から取り出して、頭を冷やした。

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