↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姉妹レンタル  作者: なんなん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
394/413

最後の選択!仲間と歩む未来のかたち

七色の光が消え、白い指輪の祭壇は深い闇に包まれた。


ユウマたちの目の前には、二つの道だけが残されていた。


一つは、仲間全員が永遠に一緒にいられると約束された、美しい世界。


もう一つは、それぞれが自分の未来を選び、ときには別々の道を歩む世界。


『選びなさい』


神殿の声が響く。


『全員が同じ場所にとどまる未来か。それとも、別々の未来へ進む自由か』


ナナは、左側の道を見つめた。


「みんながずっと一緒にいられるなら、それって素敵なことじゃない?」


「うん。僕も、みんなと離れたくないよ」


ハルも正直な気持ちを口にした。


しかし、アヤは左側の世界に違和感を覚えていた。


「待って。あの世界をよく見て」


そこには、笑顔で暮らす仲間たちの姿があった。


誰も悲しまず、誰もけんかをせず、誰も旅立とうとしない。


けれど、よく見ると、彼らは同じ場所を歩き、毎日まったく同じ会話を繰り返していた。


「これ……本当に未来なの?」


ミオがつぶやいた。


「そうだ。あの世界には、選択がないんだ」


カナタが答えた。


「ずっと一緒にいられる代わりに、誰も新しいことを望めない。誰も自分の意志で変わることができないんだ」


ナナは、もう一度その世界を見つめた。


「じゃあ、あそこで笑っている私たちは……本当に笑いたくて笑っているわけじゃないの?」


誰も答えられなかった。


そのとき、二つの道の間に、黒い影が現れた。


それはエリオにそっくりな姿をしていたが、表情には深い悲しみが浮かんでいた。


『お前たちは、自由を選ぶと言う』


影が静かに話し始めた。


『だが、自由に選べば、誰かが去っていく。新しい道を歩き始めれば、二度と会えない者もいる。それでも、お前たちは本当に耐えられるのか?』


エリオは影を見つめた。


「……耐えられないかもしれない」


『ならば、なぜ自由を選ぶ?』


「怖いからこそ、みんなと話し合いたいんだ」


エリオは一歩前へ出た。


「僕は、誰かを失うのが怖かった。だから、すべての世界を一つにすればいいと思った。でも、それは僕自身が安心したかっただけなのかもしれない」


黒い影は黙っていた。


「仲間がどんな未来を選ぶのか、僕には決められない。それでも、違う道を選んだ仲間と、また出会える方法を探すことはできるはずだ」


エリオの言葉に、ユウマがうなずいた。


「そうだよ。僕たちは、ずっと同じ場所にいなきゃ仲間じゃない、なんて思っていない」


「離れている間に、新しい経験をしてくるのもいいじゃない!」


ナナが明るく言った。


「次に会ったとき、知らない話がいっぱい聞けるもん!」


「それに、別々の道を歩くことと、仲間を見捨てることは違うわ」


ルミも続けた。


アステルは白い指輪を見上げた。


「世界だって同じだ。違う世界が違うままでいるからこそ、互いに伝えられるものがある」


ノアも静かに言った。


「すべてを同じにすることだけが、つながる方法じゃないんだね」


その瞬間、ユウマが二つの道の中央へ進み出た。


「僕たちは、どちらか一方だけを選ばない!」


神殿が大きく揺れた。


『何を言っている? 二つの道から一つを選ぶのだ』


「違うよ!」


ユウマは、二つの道を交互に指さした。


「みんなと一緒にいたい気持ちも、自分の未来を選びたい気持ちも、どちらも本当なんだ。だから、片方を消す必要なんてない!」


「私たちは、みんなが同じ未来になることを望んでいるわけじゃない!」


アヤが声を上げた。


「それぞれが選んだ未来の中で、また出会える道を作りたいの!」


「そのために、白い指輪があるんだよね!」


ミオが続いた。


一人、また一人と、仲間たちが二つの道の間に集まった。


誰も同じ言葉を繰り返さなかった。


それぞれが、自分の思いを語った。


ハルは、仲間と離れても帰ってこられる場所を守りたいと言った。


ソラは、知らない世界を冒険しながら、そこで出会った人々ともつながりたいと語った。


ルミは、誰もが自分の気持ちを安心して話せる世界を願った。


レイは、失われた記憶を取り戻すかどうかも、一人ひとりが決められるようにしたいと言った。


フィリアは、過去の過ちを隠さず、それでも未来へ進める世界を望んだ。


カナタは、誰かの理想を押しつけるのではなく、みんなで新しい答えを探したいと話した。


アステルとノアも、それぞれの世界を守りながら、必要なときには助け合える関係を築きたいと語った。


最後に、エリオが言った。


「僕は、もう世界を一つにしようとは思わない。でも、世界と世界の間に壁を作って、互いに関われなくすることもしない。違いを残したまま、つながる道を守りたい」


その言葉が響いた瞬間、二つの道の間に、小さな白い橋が現れた。


橋は左右どちらの世界にもつながっていた。


美しい世界にいた人々は、橋を見つめていた。


そして、その中の一人が、自分の意志で一歩を踏み出した。


続いて、別の人も橋を渡り始めた。


誰かは向こう側へ渡り、誰かは元の場所に残った。


それでも、橋は消えなかった。


「見て! 道がつながった!」


ナナが歓声を上げた。


七つの台座が一斉に輝き始める。


青、緑、赤、紫、金、水色、そして最後の七色目。


黒い影に覆われていた光が、少しずつ色を取り戻していった。


白い指輪のひび割れも、ゆっくりと閉じ始めた。


『七つの意志を確認しました』


神殿の声が、今度は穏やかに響いた。


『異なる答えを持つ者たちが、互いの選択を認めました。最後の試練を通過しました』


ユウマたちは、思わず顔を見合わせた。


「やった……!」


ハルが拳を握った。


しかし、エリオだけは、まだ祭壇を見つめていた。


白い指輪の中心には、小さな黒い点が残っていたからだ。


「まだ、完全には戻っていない……」


そのとき、黒い影がエリオの前に立った。


影の姿は、以前よりもずっと小さくなっていた。


『お前は、僕を消さなかった』


「ああ」


『僕を恐れなくなったのか?』


エリオは首を横に振った。


「恐れがなくなったわけじゃない。これからも、失うことが怖くなると思う」


影はうつむいた。


「でも、怖いからって、君を無理やり消そうとはしない。君が僕の恐れなら、その気持ちにも向き合っていく」


エリオが手を差し出すと、影はしばらく迷ってから、その手に触れた。


二人の姿が柔らかな光に包まれる。


影は完全に消えたわけではなかった。


しかし、もうエリオから切り離された存在でもなかった。


「これで、少し前に進めたかな……」


エリオがつぶやいた。


「うん。少なくとも、さっきよりはね」


ユウマが笑った。


そのとき、白い指輪が祭壇からゆっくりと降りてきた。


指輪の内側に、新しい文字が浮かび上がる。


『世界をつなぐ者たちへ。最後の扉は、まだ開かれていない』


「えっ?」


レイが驚いた。


祭壇の奥の壁が動き、その向こうに巨大な扉が姿を現した。


扉には、七人の創造者の紋章が刻まれている。


だが、中央には、見たことのない八つ目の紋章があった。


それは、白い指輪と黒い指輪が重なり合った形をしていた。


「八つ目の紋章……。七人の創造者にもなかったものだ」


エリオが息をのんだ。


すると、扉の向こうから、聞き覚えのない声が響いた。


『七人の創造者が残した答えは、ここまでだ』


ユウマたちは、身構えながら扉を見つめた。


『しかし、白い指輪と黒い指輪が生まれた本当の理由は、まだ明らかになっていない』


アヤがユウマの隣に並んだ。


「つまり、最初に指輪を作ったときの秘密が、まだ残っているのね」


エリオは深く息を吸った。


「行こう。今度こそ、何が起きたのかを最後まで確かめたい」


ユウマはうなずき、白い指輪を見つめた。


七色の光は戻りつつある。


けれど、指輪の奥には、まだ誰も知らない秘密が眠っていた。


そして、八つ目の紋章が、ゆっくりと光り始めた。


次回、「八つ目の紋章! 創造者たちが知らなかった秘密」


七人の創造者の記録にも残されていない八つ目の紋章。その扉の向こうには、白い指輪と黒い指輪が生まれる以前の世界が待っていた!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。