騎士団会議
俺は会議開始10分前に会議室に到着した。中に入ると既に何人かの団長が待っていた。
「よっしゃー!予想的中!」
「なんで来んのよ!スノー!」
「は?」
「いやぁ、エルサのやつと次に誰が来るのか今日の晩飯をかけて勝負をしててな。エルサはハーバルド、俺はスノーにかけたんだ。んで俺が勝ったってわけ」
「勝手に俺にかけるな」
「本当に最悪…」
この体も態度も声もデカい男はフェンセン、豪進の騎士団の団長を務めている。技術ではなく、力で全てを解決させる脳筋だ。そしてさっきから最悪最悪言っている女がエルサ、閃光の騎士団の団長で、最速の剣術と魔法を扱う騎士が集められている。団長なだけあってエルサの剣術は俺の剣術の最速の技ですら防ぎきれない。
「おつかれー!みんな早いなぁ」
「…ッチ…お前がもっと早くきとけば、私は奢らずに済んだのよ!」
「えぇ?なになに?」
ふわふわした喋り方をしている男はハーバルド、陽炎の騎士団の団長、その技は緩急が絶妙で、完璧に対応するのは不可能とも言える。今もエルサの攻撃を避けているのがその証拠だ。
「2人ともやめてください!」
「うおっ」
「っち!止めんじゃないわよ!レナ!」
「す、すみません…」
この威圧感が全くない少女はレナ、煉獄の騎士団の団長、全てを燃やし尽くすと言われるほど炎の扱いに長けたものが多い騎士団をまとめている。俺の氷結の騎士団とは仲が悪いが、団長の俺とレナはそこまで仲は悪くない。
「えー?私が最後?みんな早いねぇ!」
何かと軽い感じの女はティアラ、陰影の騎士団の団長、姿を消し、裏で敵を仕留めることに長けている。ティアラが本気を出せば、俺ら全員に悟られずに部屋に入ることも造作はないだろう。
「全員集まったようだな。」
その男の一言で全員の姿勢が一瞬にして正され、空気感が変わる。この男こそ、騎士団の総司令官、クウォンだ。騎士団をまとめるだけあって、魔法も剣術も最高峰、化け物だ。
「既に連絡が来ていると思うが、最近魔物の動きが活発化している。王国は魔王の復活の可能性を考え勇者召喚の儀の用意もしているほどだ」
「で、私たちは何をすればいいのぉ?」
「魔王の復活に関してはまだ確定ではない。我々が表立って魔族に攻撃することはさらなる敵対化を誘発する可能性が高い。」
「表立って…ねぇ?」
反応したのはティアラだ。裏に住んでいるとも言える陰影の騎士団だ。これは暗に陰影に動けと言っているのだろう。
「我々は魔物の討伐を行うしかない。特に最近はユーティクス領とレチューノ領での魔物の活発化が見られる。その二箇所に騎士団を一つずつ配備することになった。ユーティクス領には豪進、レチューノ領は陽炎に任せる。」
「他の騎士団はどうしたらいいのよ」
「一時待機だ。自分の部屋で待機するのも良い。だが緊急招集がかかる可能性がある」
「…なるほどな」
「今回の会議で伝えたかったのは以上だ。他に何かあるか?」
「…」
「ないようだな。それでは解散!」




