13 ギルドマスターと再び
昨日の出会い。
結果を持って再び冒険者ギルドへ向かう二人。
ギルドマスターとの面接は……。
冒険者ギルドのカウンター前に並ぶ、エルナと"イオ"と名付けられた少女。
「ギルドマスターに会いたいのだけれど」
受付嬢フェリシアは一瞬だけ二人を見て、
何も言わずに、頷いた。
そのままカウンターを出て、奥の階段へと歩き出す。
二人は黙って後ろをついて行く
二階。
昨日案内された重厚な扉の前で、フェリシアが一歩左側へ下がる。
エルナがノックする。
「――入れ」
短く、聞き覚えのある声。
ドアを開けた瞬間、
部屋の奥から、かぶせるように声が飛んできた。
「見つかったのか?」
今日はギルドマスターひとりだ。
「はい」
エルナは短く答える。
「そうか、まぁ座れ」
エルナと少女がソファーに座る。
「誰だ?」
「リリィって言う人です。
兎族で……たぶん、いえ、間違いなく私より強い」
一瞬後。
ギルドマスターは、
酢でも飲み込んだような顔で黙り込んだ。
エルナの喉が、無意識に鳴る。
ごくり、
やがて――
「あー……」
そして突然、
「はっはっはっはっは!!」
豪快な笑い声が、部屋に響いた。
「よりによってアイツか」
笑いはなかなか止まらない。
「……なら安心だ」
「……え?」
あまりにあっさりした反応に、エルナは目を瞬く。
だがギルドマスターは、エルナの反応には眼もくれなかった。
「わかった。他の連中には俺から話を通しておく」
そして、少しだけ声音を落とす。
「薄々、気づいてると思うがな……
この子は、普通の迷子じゃない」
エルナは、静かに頷いた。
森でのこと。
薬草のこと。
そして――あの不思議な落ち着き。
「ならいい」
ギルドマスターは椅子にもたれ、腕を組む。
「リリィに預けるなら、まず問題は起きんだろう」
一拍。
「――問題は、お前の方だ」
エルナは、息を呑む。
「そんなに力んでちゃだめじゃないか。。
いくら気張っても、それだけじゃぁあの子は守り切れん」
「……わかってるわ」
エルナは、短く答えた。
「精進するんだな」
その声は厳しかったが、突き放すものではない。
「なら話は終わりだ」
ギルドマスターはそう言い、
ふと思い出したように付け加える。
「ああ、あと――
エルナ・グラウシュミット」
名前を呼ばれ、背筋が伸びる。
「あの子のためにも、早く上に上がれるだけの力量をつけろ。
今のお前じゃちょっとレベルが高いかもしれんが……」
「フェリシアにも言っておく、討伐のパーティーに入れてもらえ」
エルナは、こくりと頷いた。
断る理由はない。
リリィのあの隙のなさ……、
切り結べばきっと、こちらのショートソードより先に……。
自分の喉元は切り裂かれているだろう。
追いつかなきゃ!
この子を守るどころか、
傷だらけでまたこの子に力を使わせてしまう。
早いところ、追いつかないと!
エルナは、強く拳を握りしめた。
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