再会の物の怪たち
97話 再会の物の怪たち
「久しぶり。来ると思ってたよ」
東京に着き、蒲田の「百夜モデル事務所」に直行し、寝肥さんや、お歯黒さん、小袖の手さんたちと再会。
一反姐さんは先に着いていた。
「社長ぉ今夜は歓迎会をぱあっと」
お歯黒さんは、うかれてて。今日の目は波目になってる。
見知らぬモデルさんも何人か。
中で一番目立ったのは、赤いハンテンに緑のジャージ姿の人。
「あのコ、気になる?」
「はぁ場違いな格好なんで……妖怪?」
「おい、飛縁魔。こっちに」
飛縁魔。他の事務所のみんなと違い妖気を感じた。東京の妖怪じゃないんだ。
新幹線で会った山女さん程ではないがスラッと背が高くジャージが身体にピタッとして、綺麗な身体の線が、顔が綺麗。
「飛縁魔。あんた双子だよね。どっち。あ、はじめまして。あたしは二口」
「妹よ。二口さんかぁ。噂通りの美女ね」
「あんたは、東京じゃないね妖気を感じる」
「北海道在住よ。おととい飛行機で」
「飛行機か。アヤ、飛行機旅もしてみたいな」
「私が乗せてやるよ」
「姐さんは、料金のわりに乗り心地が悪い」
「料金取った憶えないよ」
「請求するじゃないですか」
塩野長次事務所。
「久しぶり足洗」
「知らなかった。塩野さんと知り合いだったのか。あんた」
「足洗とは昔馴染みでね。よく、映画論をかわしたよ。君が柳田弘樹君だね。作品は見てるよ」
「本当ですか?! 僕の映画を」
「ああ初作『黄昏れ彼女』からね。あのホンは私の好みだ」
「ええ、素人時代のまで、観てるんですか感激だ」
「足洗、一緒に『妖異百物語』作ろう」
「本当に。塩野ぉ」
「なんだ、泣くことじゃないだろ。足洗」
「所長。そろそろ」
「ああ、そうか。足洗、ハリウッドで稼いでる野熊が帰って来るぞ」
「野熊。あのメイクの」
「そうだ、メイクを担当してもらう」
「足洗、ハリウッドでトップの特殊メイクアーティストに、なったマイク野熊とも知り合いなのか?!」
「ああ、昔は三人で安酒呑んでた」
「昨日電話で話したよ。奴もなぁ最近、仕事が減ったとボヤいてた。CGのせいだ。だが、私は妖怪は特殊メイクでと考えてる。時代遅れかな?」
「そんな事ないです。僕も妖怪はCGより」
「だよな、奴の仕事は本物だからな。柳田君よろしくたのむよ」
「良かったなあ柳田」
「悪いが、明日から俳優のオーディションなんだ、参加してくれ」
翌日、都内の某オーディション会場。
「静ちゃん、なんかハロウィンの時と同じ雰囲気だね」
控室には、お化けコスの人間が、あふれていた。
つづく




