娘が
91話 娘が
久しぶりに副編集長とお昼。
「どうした? なんか最近元気ないなぁ」
「えぇ。でも、元気ないのは娘なんです」
「マイちゃんか、どうした」
「ほら、先週残業で泊まりになったじゃないですか。翌日家に帰ったらマイが様子が変で。学校へも行かず……ベッドで」
「寝たきりか?」
「いえ、起きるんですが覇気がなく、食事もとらず。なんか腑抜けちゃてぼーっとしてるんです。まるで精気がなくて、抜け殻みたいな……」
「それは心配だな……精気がない……もしかしたら良くないモノに」
「良くないモノって?」
「魔とでもいうか。魔性の物に精気を……」
「バケモノに何かされたと、娘が!」
「いきなり抜け殻みたいになったんだろ。知り合いにいい人いるから見てもらうか?」
「商売人の霊能者とかはダメよ。私、ああいう人、信用できないの」
「そういう仕事はしてない」
休日、副編集長が信用できる人と、連れてきた。
スーツ姿の女性だ。四十代くらいかしら?
「はじめまして。私、こういうもので」
副編集長が紹介する前に女は名刺を。
やっぱり商売人。
ヌラリ芸能プロダクション・オニ娘カンパニー代表
ヒョン・紫咲
「オニ娘知ってるだろ。あそこの芸能事務所の人だ」
「芸能関係なの」
「ええ、マネージメントやプロデュースも担当してます」
「霊能方面の業界じゃないから。この人」
娘を応接間に連れてきた。
ヒョン女史は、娘を見るなり。
「お母さん、娘さん尻子玉を抜かれたんですわ」
「尻子玉って、あの……河童が」
「そうです。河童に尻子玉を抜かれてます。まあ一年くらいしたら元にもどるかも……」
「一年も、こんな状態でいたら……学校もあるし、生活だって、食事もしないですよ死んでしまいます。なんとか今すぐになりませんか」
ヒョン氏はしばらく考えて。
「河童の知り合いにあたってみます」
この人、河童に知り合いがいるの。
って、いうか河童がホントに居るの。
翌日、電話が。
《知り合いの河童の話だと、尻子玉で精力剤を作って売ってる男が居るそうで、その精力剤を飲めば効くんじゃないかと》
「それは、すぐ手に入るのですか?」
《今、人を使って捜してます。見つかり次第連絡を》
尻子玉の精力剤って、どのくらいするのかしら。
きっと高価なんだろう。
つづく




