表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/100

福の神

75話 福の神


「やっぱり、こういう老舗食堂が、安くて美味しいのよね」

「静ちゃん、店の奥に飾ってあったの、アレなにかなぁ。福助みたいに置いてあったけど」

「ああ、和服着た坊主頭のおっさん」

「そうニコニコ顔の」


「アレは仙台四郎よ」


 わたしたちと、食堂をほぼ同時に出てきた中年の女性が。


「仙台シロー」


 わたしと静ちゃんが、同時に。


「そう福助と同じ商売繁盛の神様なのよ。仙台四郎は、福助よりあとの時代に実在した人物よ、彼が入った店が繁盛したから彼の死後、福の神として人形化されて祀られてるらしわ。写真とか、絵のお店もあるわよ。あんまり詳しくは知らないけどね」


「そうなんですか。ありがとうございます」


「いえ、よけいな事言ってごめんなさい。今の食堂はウチの親戚でね、美味しかったでしょ」


「あーだこーだと。店の宣伝していったね、あの人。あの人があの食堂の仙台シローじゃないの」


「あれ、見て静ちゃん。向こうの新築中のお店らしい所。前に坊主頭のおじさん?」

「着物の柄が仙台シローだね。あいつは本物? 声かけてみようか」


 静ちゃんは、小走りにあの仙台四郎らしき人に。でも、あの人ちょっとぼんやり見える時が。

 生きてる人じゃないようね。


 静ちゃんが、なんか話して戻って来た。


「アレやっぱり仙台シローだった。でも妖怪化してるね。あっちこっちまわって歩いてるそうだ。ぬらりひょんか、座敷わらしみたいだよ。アレが、居付けばその店が繁盛するそうだよ」


「だから、仙台は居づらい」


 振り向くと、大きなちょんまげ頭の。


「福助さん」

「ああ、アレの祀りも、いっ時で終わると思ってたら、未だに衰えない。わしと両方飾る店もある」


 と、言いとぼとぼと歩いて行った。


「福助のライバルね。シローは」

「福助は、長寿の佐太郎さんだよね」

「そうだね、江戸時代の人だ。ソレがあとから生まれたシローに負けて悔しいのか」

「でも、全国的には勝ってるよね」

「徳川さんみたいに全国統一ねらってたのかな福助。あ、そうだ次は牛の舌食べに行こ!」


「牛たんよね……」


 静ちゃんが言うと生きた牛を髪で抑えて口を開けて。

 あの吸精バケモノを食べちゃたの見たせいだ。


 「底なしなら、やりかねない」


「ん、アヤ。なんか言った?」


                つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ