謎のふたり
73話 謎のふたり
「宮城に来たけと、県境。ココどこ? 美味しい物あるかなぁ」
「クルマつかまえて仙台まで行こうよ」
「そうだね。ここはちょっと……」
わたしたちはヒッチハイクしながらトボトボ歩く。まだ、薄暗いのでヒッチハイクの札が見えずクルマが、通り過ぎる。
少なかったけど。
「タヌキのクルマでもいいから停まらないかなぁ」
「今までが順調過ぎたのかもね」
クルマは走り去っるだけだ。
「あ、停まった」
50メートルくらい先で停まった珍しいクルマ。アレは。
「キャンピングカーだ、アレ。おーい」
静ちゃんが走り寄る。
ドアが開いて髭ヅラのガタイのいいおじさんが出てきた。
歩道側に歩いて行き。後ろのタイヤを見てしゃがみ込んだ。
「どうしたんです?」
「パンクだ」
「あたしたち乗せてくれるんじゃ」
「その気はない」
「ええ〜」
おじさんは、運転席に戻り同乗者に何やら話してる。助手席から女性が降りて来た。
クルマの後部から、タイヤを取り出したおじさんに女性は工具を渡した。
タイヤを交換するらしい。
「あんたたち、こんな時間にヒッチハイク?」
「はい、何処まででもいいです乗せてくれません」
女性は、静ちゃんが首にかけたダンボール紙を見て、少し考えた。
「私たち、北海道に行く途中なの。ねえあんた、乗せてあげようか。何処でもいいって、仙台あたりまでなら」
おじさんは、タイヤ交換作業をしながら。
「あまり乗せたくねぇな~。それにそいつら人じゃないだろう。仲間かも?」
「で、なんでわかるの。あんたらは……。タヌキじゃないよね獣臭くないしぃ。仲間って誰の?」
「なんと言ゃいいかな。人が一番俺を呼ぶのは『バケモノ』とか『エイリアン』だ。が、どちらでもない」
「それじゃ『闇の人』。それとも『マレビト』?」
「妖怪って、選択はないのか。俺たちは、俺は『山男』だ。そっちは」
「『歩き巫女』よ」
「ヤマオトコとアルキミコ。山男は聞いたことあるけど、歩き巫女は」
「おう、出来た。早く行くぞ」
「あんたたち、こっちから乗って」
後部のドアから乗せられた。
なんだかんだ言ってたが、乗せてくれたけど、なんかあわただしい。
なにかに追われてるのかしら。
「ありがとう乗せてくれて」
「岩手まで、乗せてやってもいいけど、あんたたちを巻き込みたくないのよ」
やはり追われてるのかな。その後ふたりは仙台市内に入るまで一言もしゃべらなかった。
「ありがとうございました」
「なんだったのあのふたり……」
彼らの事は、結局なにもわからないままだ。
ヒッチハイクでは、あんなのにも乗せてもらうコトもあるのだろう。
犯罪者には見えなかったけど。
「歩き巫女は、巫女に化けて情報を集めてた武田信玄の間者、くノ一組織だったという説も有りだって」
静ちゃんがスマホで調べた。
「歩き巫女だって、くノ一じゃない本当の巫女さんが居たみたいだから、それが妖怪化したのじゃない。今時、歩き巫女なんて。
もしかして、山男と歩き巫女の駆け落ちだったりして」
「そうかなぁ……」
ブーン!
「なに。今、物凄く早いのが通り過ぎた?」
つづく




