飛縁魔みずち3
67話 飛縁魔みずち3
「ありがとうございます」
「礼とか、いらないから、こっちは仕事ですから」
「東京百鬼夜行」。
この前にボクが言ったあの内容なのか。渡された原稿をパラパラと見た。主人公は、少女に。
「これ、巻頭よりトリにしたいなぁ」
「そんなことあんたが、きめられるの? ああ、三日ぶりの食事が好物のタコ焼きなんて、なんて幸せなの」
「え、三日ぶりなんですか」
「ええ、三日三晩それ書いてたからね。ああ食った食った。風呂沸かしたよね」
「はい、来た時に」
「風呂入って来よ」
「あ、先生。子供じゃないんですから」
飛縁魔みずちは、目の前で全裸になり風呂場に向った。
オールヌードを見てしまった。しかし、けっこう無茶苦茶な生活してるわりにきれいな身体していたな。飛縁魔先生。
脱ぎ捨てられたジャージの中。
下着がない。確かに全裸で。
彼女はジャージの下はノー下着なのか。
「高田くん、遊んでいかない」
30分くらいしてから脱衣場から、声がした。
「遊ぶ」って。どういうことだ。
まあボクも大人だ。ままごとや隠れんぼじゃないだろうと。
「高田くん、悪い、コレ洗濯しておいて」
と、脱衣場からバスタオルを巻いて出てきた飛縁魔みずちは、脱ぎ捨てたジャージをボクに。
タンスから同じようなジャージを出して着た。やはり下着は着けてない。
「やっぱ、寝ることにしたわ」
と、寝袋に入ってしまった。
まあ三日三晩書いてたならそうなるか。
「遊び」ちょっと期待してしまった。
まえと同じく寝袋に入ったらすぐに。
プララララ
わっ、電話だ。唐沢さんからだ。
《原稿は?》
「大丈夫です。とれました」
《今度はマカ先生があぶないのよ。なんとかして》
「と、ボクに言われても……」
《副編集長が、遠野に行ってでも取ってこいって》
「なんですか、ソレ。ボクがなんで遠野まで」
《あなた、担当でしょ》
「そんなぁありえませんよ」
《取って来たら後でご褒美あげるから》
「マジですか唐沢さん。ナニをくれるんです」
《ナニが欲しいの?》
「久しぶりに唐沢さんが欲しいっす」
《バ〜カ。たまってんの?》
「バカ言ないでくださいよ。最近してくれないじゃないですか」
《そんな、話しを仕事中にしない! じゃ》
なんだかなあ~。
ガラガラ。
玄関の戸が開く音が。誰か来たのか?
ガラガラ
戸が閉まった。
何かが入って来る気配はするが、何も見えない。
その気配が、ボクの居るお茶の間に来た。
なんか、ココで落ち着いてる。
「わるいな、あんさん。お茶入れてくれる」
声が聞こえた! が姿は見えず。
ボクは、茶碗に茶を入れて、家から飛び出した。
アレは、ぬらりひょん?
ボクが、会社に帰ると。遠野に行くコトになっていた。
つづく




