ヒッチハイク再開
66話 ヒッチハイク再開
「本当にココでいいの?」
「ありがとう。いろいろ楽しかったよ」
川崎まわりで東京の出版社へ帰り。金沢さんが、松戸まで送ってくれた。
「もしよければウチに泊まってもいいよ。もうおそいし。まあウチはせまいけど二人くらいは」
「大丈夫です。夜は、なれてますから」
ドロロンロ〜ン
「なに! 変な音?」
「あ、忘れてた」
静ちゃんが、バッグからスマホを取り出した。
「はい、あたし」
《かっぱ橋行って来ましたよ》
「そう。あいつ居た?」
《居ました。姉さんのコト、忘れてましたよ》
「そう、ありがとう。スマホ、助かるわ。ホントに借りてていいの?」
《いいよ。3台あるから。お金も払いますから、次会うまで使ってて》
「サンキューお金は送るよ。じゃ」
「スマホ持ってたんだ」
「東京の友だちが貸してくれて。持ちなれてないからバッグに入れたままでした」
「そうだったのね。あ、忘れてた名刺。裏に番号書いとくから、何かあったら遠慮なく電話してね。じゃ気をつけて」
「サヨナラ」
わたしたちは夜の国道を歩きはじめた。
「夕食早かったからお腹すいたわ。食べる?」
多分夜食のためだろう途中、コンビニでパンとおにぎりを買ってた静ちゃんが。
「コレ、かけてて」
と、岩手と書いたダンボール紙をわたしに。
「わたしより綺麗な静ちゃんの方が停まってくれるんじゃ」
「そんなことないよ。アヤだって充分カワイイから停まるよ」
「そうかなぁ」
「ホラ来た」
って、コレ。妖怪じゃ。
タイヤだけが、コロコロ走っている。
「お嬢さんたち、乗ってかない」
「ソレの何処に乗れるの?」
「ここだよ!」
と、タイヤの真ん中に大口が開きわたしを。
「邪魔だよ!」
わたしの足がタイヤを蹴って道路脇にあった川に落とした。
「あら、可哀想」
「本気で言ってんの。底なし」
「アレも、うかばれない霊なのよ可哀想よ蹴ったりしちゃ」
「悪霊だよアレ。食われるぞ! あ、食うのはあんたか」
「はいはい、やめてね」
「取手までなら乗せてあげるよ」
「えっ?」
つづく




