白鳥神社
63話 白鳥神社
編集者コンビの二人と合流する。
「君津の白鳥神社に寄っていいかしら」
「金沢さん、ヤマトタケルファンだからな。内房来ると必ずよるんだ」
金沢さんはドライバーの人。
白鳥神社は、ヤマトタケルが、伊勢で亡くなり白鳥になり飛び。君津の鹿野山に降り立ったという話から出来た。
「いくら話してもあんたにはヤマトタケルとオトタチバナヒメのラブロマンスはわからないのよね」
「わからないよ。そのカップルがもとで、恋に飢えた男女の祭りが出来たんでしょ」
「恋に飢えた?」
「そういうエロい言い方すると誤解を招くのよ。昔は中々男女が簡単に恋愛が出来なかったから祭りで」
「ああ、そういうのよく有るよね。たしか……その辺に知り合いが……」
「居るの静ちゃん?」
ホント、静は顔がデカい。
広いよ、裏アヤ。
「ん、アヤなんか言った?」
「静ちゃんは顔が広いなと」
「昔、下総が嫌になって、色んなとこに旅したから。知り合いが増えた。言ってなかった?」
「うん」
「下総って、いつの生まれ? えーと、静ちゃんとアヤちゃんは、本当に仲いいな、もしかしてユリ?」
「ユリ?」
「ああ、レズまでいかない女子同志の仲良しカップルとでも……」
「仲良しだけど、カップルじゃ……」
静ちゃんは、そうなの。
「あんたたちも、いつも一緒じゃ」
「あたしらは仕事。あ、そうだまだ、渡してなかったよね名刺」
もらったかもしれないが、ない。
香華クリエイト 天野志子華。
「なんて読むの、静ちゃん?」
「あたしに聞かれても。シコカ?」
「こうげいクリエイト、アマノシズカよ。私のも、あとであげるわ。私の名前金沢香織。の、香と志子華の華で、香華をこうげいって読ますの。まだ出来たての会社で、元いた会社内で会社やってるの。おかしいでしょ」
「あんたもシズカなんだ」
「紛らわしいから、あなたたちが同乗してる時は呼ばなかったけど、普段はシズカと」
「まあ、白いルージュの女と憶えくれてもいいから」
鹿野山 白鳥神社。
金沢、天野さんたちとは、ちょっと別行動をとった。
二人は神社へ参拝に。
「やっぱり、そうだ」
いきなり現れた女性が静ちゃんの背後から髪を分けた。
「この卑猥な後頭部は二口!」
「いきなり現れるなカガイ、今は草双紙静でとおっている」
「草双紙……静。へぇ~っ」
「カガイさん?」
「そう、エロ妖怪カガイだ」
「エロ妖怪って、なんだよ」
「こいつの趣味はカップルの『まぐわい』を覗くコトよ。時には参加もするそうだ」
「そいつはウソだ。あたいはまだ不慣れな恋愛をしている男女の手助けをしてるんだ。童貞と生娘は難儀でな、見てるとイライラしてくる」
「な、そういうやつなんだ。あの金沢っていう女に会わせたら、どう思うか。ここはそんな神聖な場所じゃない」
カガイさんの後ろにも大きな犬が、まあ犬なんだけど神社の狛犬のような。
「そいつは、まえには居なかったよね」
「祭りでこいつの頭を形どった獅子頭の舞がはじまるようになってから現れたヤツだ」
「おーい! 行くよ」
金沢さんたちが。
「人間の連れか? じゃまたな、今度はゆっくりしてってくれ」
とカガイさんは、狛犬に乗って飛んでった。
つづく




