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飛縁魔みずち2

61話 飛縁魔みずち2


「ハロウィン。行く気なんかなかったのに。つい出てしまった」


「ぬらりひょんに誘われてですか? タコ焼きも買いに出ないのに……」


「ぬらりひょんが、カラス天狗呼んでくれたからひとっ飛びだったから楽だった。服装もジャージにコート羽織っただけだったし」


「カラス天狗?! タクシーみたいに……」


 飛縁魔みずちの家に来て凄い話しを聞かされた。

 ハロウィンの夜に表参道へ行き「百鬼夜行」を見たというのだ。


 妖怪たちが、夜中にぞろぞろと大勢で歩きまわるってヤツだ。

 この事故物件の家の話も怪異だが、百鬼夜行か。

 あの夕刊の記事にそれが写っていて、見える人には見えてサイト炎上したのかも。


「先生も参加したんですか?」

「しないわよ。人間だもの。あ、by相田みつを。なんか人間も何人か歩道で見学してたわ。中に入って行ったのも居て、はたから見たら路上ではしゃぐあぶない人だったわ。クルマに轢かれるじゃないかと。そういえば、何人かは、路上から消えていった人も」

「消えた?」

「はじめは普通に見えてたのに薄くなり妖怪たちに混ざり込んだようにね。姿がね、見えなくなったの。アレは人の姿の妖怪だったのねきっと」


「先生、その体験を活かして一筆。もう締切りまで日にちがありません」

「それも……有りかな。毎度ありがとうタコ焼き」


 と、飛縁魔みずちは、飲み終えた茶碗と一緒にたいらげたタコ焼きの箱、三箱を台所に持って行く。

 自分の分のつもりで買ってきたひと箱も。

 飛縁魔みずちは、あっという間にたいらげた。

 この人は、普段ナニを食べてるのだろうか?


 戻って来たとおもったら居間の寝袋に入った。


「今夜、ぬらりひょんと油すましがお茶飲みに来るからさぁ寝とかなきゃ。じゃおやすみ高田くん!」


「おやすみって、マジすか! 仕事は、先生」


 寝息が聞こえる。もう寝てる。


「ぬらりひょんと油すましが来る……」


 飛縁魔みずち。本当はそういう名の妖怪なんじゃないかと思えた。この人。


「そうだよ」


「えっ! 飛縁魔先生? 寝言だよね、今の?」·


               つづく

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