再会のマカさん
57話 再会のマカさん
外来妖怪ヤスレクを退治した? わたしたちは渋谷スクランブル交差点を渡っていると見慣れた服装の女性が、わたしたちに近づいてきて、頭を下げた。
「あいつをやっけたんですね。ありがと。もとに戻りました」
その女性は、クラブを追い出された白粉婆の服装だ。
白粉婆だ。元の二十代にもどったんだね。
「わたしじゃないよ。こっちの静ちゃんが、食べちゃたんだよ」
ポカ
「イタッ」
「言わない約束でしょ」
「今のは、裏アヤが、わたしの口まねで……」
「ホント? ゴメン。アヤ」
「……」
終電が出た頃。渋谷の街も落ち着いた。
いや、まだ酔っぱらた若者やなんやらが、けっこうウロウロしている。
外国人も多い。
昔と違い外国人が増えた。遠野にも観光に来る。
「あんたら、行かないのかい。妖怪だろう?」
ふと、派手なギャル姿の知らない少女が。多分妖怪だ。
「あれ、あんたはギャルな姿になってるけど。あんた霞ヶ浦の主、『カスミ』?」
「そういうあんたらは?」
「ヒッチハイクの途中、霞ヶ浦で。美味しい物ガイド本を見せた」
「ああっあん時のふたり。思い出した。あんたらには、こなかったの悪五郎からの手紙」
「悪五郎って、神ン野悪五郎」
「そうだ。奴がハロウィンの夜にあつまれと」
「同じような手紙を山ン本五郎左衛門から、届いたとあたしの知り合いが」
「なんだかなあ~山ン本と神ン野が、またなにか一騒動起こすつもりかな?」
「あいつら、いまだに仲が悪いらしい。べつにあたしは悪五郎につく気はないけど」
「なんか、人間より妖怪が増えてきた気がする。静ちゃん」
「そうね」
「見つけた! 静ぁ、アヤぁ」
えっ、空の上からわたしたちを呼ぶ声が。
見上げると、一反姐さんが。
その上に乗ってるのは、マカさん?!
「マカさんと、『一反姐さん』。どういう組み合わせよ」
一反姐さんが、ハチ公の前に降りた。さすがに周りの人間は驚いてたが、気にしない。
一反姐さんは、あの「大首」を人の大きさにした凧みたいなモノだ。
「探したよ、さすがに凄い人出だったんで、こんな時間に。会えて良かった」
「どうしたの、なんで一反姐さんが?」
「あはは。私もハロウィンに参加したくなってね。ひとりで行くのもなんなんで、それに河ババァトコに手紙が。神ン野からだ。こいつはあんたらへのみやげだ」
「えっオレは、みやげかよ」
「静たちが居なくて寂しがってたんでな」
「まあ少しな。そうだ、なんで遠野を出たんだ?」
「出たって、あたしら、明日は帰るつもりよ」
「帰ってくるんだな。お前たち……」
あれ、マカさん。泣いてる?
「あたりまえよ。家があるんだもの」
「そーか、遠野が、嫌になって出てったんじゃないのか……。良かった」
わたしたちが、急に旅立ったから勘違いしたんだマカさん。
「あ、いたいた。おーい!」
109の方から『ケイちゃん』と『猫っ子』が。その後ろをよたよた走るのは『かめら小僧』だ。
つづく




