表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/100

ハロウィン5

55話 ハロウィン5


 パレードと、言っても楽団が出て並んで行進するわけではない。

 ただ渋谷の道路を芋洗い状態でゾロゾロと仮装行列。


 妖怪たちとつるんで歩くのも楽しいが、羽目をはずしたいのか、静ちゃんは。

 わたしを連れてクラブに入った。


 やはり、ハロウィンの夜。仮装した、バケモノ共のダンスパーティーの様になっている。

 ダンス音楽は、軽快な大音響で耳が痛い。


「アヤ、踊ろう」

「わたしは盆踊りしか踊れないからだめだよ」


 わかった。と言う顔で、静ちゃんは、ひとり踊りの中に。


 うるさいので、スピーカーから遠いテーブルに行き、ミルクセーキを注文した。

 この位置から静ちゃんの姿が確認出来る。


 あ、静ちゃんの髪まで踊り始めた。

 ふわふわと静ちゃんの髪がうねりだす。


「ねぇキミ一人?」


 少し酔った感じの赤ら顔の青年だ。

 頭に悪魔の角を付けただけの仮装? 服装は普段着? その角でハロウィンに参加してるつもりなんだ。


「友だちが、あそこで踊っている」

「一人じゃないんだ。その友だちは彼氏じゃないんだろ。ボクと踊らない?」

「踊る気はないわ」


  キャー


「ヤスレー様よ!」


 突然歓声があがりナニかと思えば、派手な格好の男が現れた。

 ハロウィンの仮装とは無縁のキラキラのジャケットにサングラス。

 大道芸の様な奇妙動きのダンスを踊りだした。

 ああいうのが、流行りのダンスなのね。

 テレビで見た。軽快なタコ踊りって感じ。

 バク転やその場でクルクル廻りまるで体操か、スケート競技だ。


「あの人はヤスレー川嶋っつうこの店のオーナーらしいんだ。イケメンで金持ってて、あのカッコ良さ。あこがれてるし男のボクでも惚れちゃうね。もうこの店に常連の女たちは夢中さ。伝説だけど、渋谷の女の九割とヤッてるそうだ」


 そんなことはありえない。都市伝説よね。


「ねぇ、ボクとココ出て遊びに行かない」

「行かない」


 音楽が変わった。今度は静かな歌が流れる。

 男女がくっつき踊りだした。


「え、なによぉ。今夜はあたしじゃないのぉ」


「誰よアレ、やぼったい女」


「田舎者じゃない。どうしたのヤスレー様ぁ」


 ヤスレーとかいう男が静ちゃんと踊りはじめた。


「君の髪は綺麗だ」

「触らない方がいいわよ。噛まれるから」

「面白いね。君は。僕を知らない?」

「ええ、初めて入った店だし……。渋谷も久しぶりだし」

「よく聞くけど、君みたいなきれいなコが、田舎に埋もれていたんだね」

「たしかに田舎者ですけど、お好み?」


「静ちゃん……」

「あのコ、キミの友だち。ボクらも踊ろうよ」


「あんた、その男から離れな!」


 あれは、白粉婆(おしろいばばぁ)


「その男は女を喰うバケモノだよ!」


「なにやってる、このババァを追い出せ!」


 お店のスタッフさんたちが、お婆さんを追い出しにかかった。そんな老人にだいの男が何人も。 可哀想。


「離せ、そいつは人間じゃないよ!」

「婆さん、出るんだ! おい、このババァを」


「まったく、営業妨害だな。あ、僕はこの店のオーナーなんだ。気分を変えよう」


 あ、静ちゃんが、連れていかれる。


「あっちは、あっちで楽しんでるよ、ボクらも」

「話して下さい。静ちゃんが、外に」

「大丈夫さ、いい事するだけだ」

「離してよぉ」

「や〜だよぉ」

「離さねぇか、このスカポンタン!」

「ひいっ!」


 裏アヤが、いつもより飛び出て一喝したら、男はびっくりして腰を抜かした。


  ジョジョジョォ


 床にお漏らしてしまった。


 それでも離さない男の手をはらい。


 静ちゃん! 


 二人の後を追い外に。



 姿がない、何処に?


「何処へ行ったのぉ。わかんないよぉ」


 あのお婆さんが、言ってた「ヤスレクに気おつけな」が気になった。ヤスレクってヤスレー?


 店の裏口で白粉婆が店から蹴り出されてる。  「ㇰソババァ、二度と来んじゃねーぞ!」


  ペッ


 オバァさんを足蹴にツバまではいた。酷い。


「おばあちゃん、大丈夫?」

「あ、痛たたっ」

「あの人たち、酷い。おばあちゃんに……」

「どーもね。でも、わたしは老人じゃないんだよ」


              つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ