ハロウィン3
53話 ハロウィン3
まだ陽が出てるがセンター街は、もう仮装した連中で溢れ出していた。
アメリカ等では昼間に子供たちが、各家を訪問してる。夜は治安が悪いので昼間に集中するらしいが、ココは陽が落ちてからが、盛り上がる。
東洋のモンスターたち、魑魅魍魎が、渋谷を跋扈するのだ。
基本は仮想した人間たちだけど。
人には見えない連中も、もう飛びまわっているし。かなり日本なのか、どこなのか、わからないようなのも多い。日本の国際化というのか? 妖怪までも外来種が増えてる。
「アヤ、空をマジに『魔女』が飛んでるよ」
「ここ数年、外国のモンスター増えましたね。ホラ、あの魔女のホウキに掴まってる緑の奴は『グレムリン』」
「ケイちゃん、グリーンモンスターとは、違うの? アレ」
「どっかで見た? グリーンモンスターは、ああいう緑のヤツをまとめて呼んでると聞いたよ。聞いた話だけど昔はベムとか、呼ばれて宇宙人扱いされてたらしいよ」
「おや、『スマホのケイ』じゃない。久しぶりじゃないか。もう渋谷から消えたと思ってたよ」
「面倒なのと会っちゃたよ」
「ケイ、知り合い? あんたツマホ圭じゃなかったけ」
「ええ、嫌いなヤツよ。『スマホのケイ』は渋谷での通り名よ」
「相変わらず厚化粧だなぁ。今日は、田舎臭い妙なのも一緒じゃん」
「田舎臭いって、あたしらのコトかしら」
「あいつなんだ、あたしがなんちゃて女子高生ってバラしてまわったのは。あいつはここが、街になる前から仕切ってた『妖怪ジバチ』で。今は『女蛮鬼』とか、名乗ってる」
「スケバンキ……時代錯誤だね。その後ろの連中も妖怪ね」
「ええ、右の小さいのが『小ぎゃる』、左のが『大ぎゃる』。その後の男たちは『チイ魔』よ」
「ホント、めんどくさそうな連中ね。田舎臭くて悪かったわね!」
ああ、静ちゃんがケイちゃんの前に出ちゃた。
「田舎臭くて悪かったね、ションベン臭いガキどもが!」
なによ、裏アヤ。勝手に前に顔出して。
スケバンキという子に殴りかかった。
「やっちまったな、醜女!」
後から静ちゃんが、髪の毛を鞭の様にしならせて、バシバシとスケバンキの隣にいた二人を打ち倒す。
「子ザルに大ザルだぁ。顔だけはデカいね、あんたら」
「ひいっ サルじゃねぇ!」
裏アヤが殴り飛ばしたスケバンキは、後ろに居たチイ魔と一緒に十五メートルくらい飛んだ。
「ホント、ケンカッぱやいんだから、あんたは」
「殴られてからだと遅いだろ、あたしは痛いのはヤダからね」
チイ魔たちが、出てきて乱闘に。
裏アヤが四、五匹殴り飛ばした頃に。
ピィーッ
「そこの連中、ケンカはやめなさい地獄に送るよ!」
「姐さんたち、ヤバい! 警護の『オニ娘』だ」
「醜女、逃げるよ!」
静ちゃんが、横を走り去った。
ので、わたしも静ちゃんを追いかけた。
「待って! 姐さん」
わたしの横に猫っ子が四足走りで、現れた。
「見たよ姐さんたち」
「なんかスカッとしたよ」
ケイちゃんが追いついた。
大分人混みの中を走った。もういいだろう。
「相変わらず、あたしより短気だよ。あんたは」
「静が先に手を出したら、アレの頭に穴開けちゃうだろ、その兇器みたいな髪の毛で。死んじまったらやっかいだ」
「相手は妖怪だよ、死にはしないさ。あんたの一発だって、アレは当分起き上がれないよ。オニに地獄へ落とされても文句は言えないね」
「大丈夫だニャ。オニ共は、二人を見てなかったニャ」
どうやら猫っ子は、オニ娘たちと同行してきたらしい。
「と、かめら小僧見つけたニャ。伝言伝えたニャ」
ドロロンロ〜ン
「変な音の着信音だな。ハイ。かめら小僧? そう、二口の静。あのねお願いが、あるんだ」
つづく




