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ハロウィン2

52話 ハロウィン2


 朝食をケイちゃんと猫っ子も一緒に食べた。


 食後はケイちゃんの案内で、渋谷界隈を巡る。

 珍しく猫っ子もついで来る。


「あれれ、もしかして二口さんじゃ」


「その声は、カワゴエ、コシガヤ姉妹」


 サイタマで、土地神として祀られている妖怪姉妹は、大きな帽子で顔を隠した青いドレス姿の二人だ。チラッと顔を見れば二人共一つ目。

 この二人が噂の姉妹か。


「二口さんも、ハロウィンパレードに?」

「まあ、見るつもりで来たんだけど、まわりを見てたら参加もしたいなと。あんたたちも?」


「ええ、こんな手紙が」


 姉妹が手紙を出し静ちゃんに渡した。


「はろうぃんの夜 表参道で待て 山ン本五郎左衛門。サンモトって、関西の大物じゃないの。なんでまた」


「きっと、あれよ。あの大将は祭り事が好きだから。多分岩男さんやワラビ姫の所にもいってるはずよ。こんな手紙。何かするんじゃない?」


「騒ぎを起こさなければいいけど。オニ娘さんたちに地獄へ落とされるわ」 


「そちらは?」


「はじめまして二面の綾樫彩ともうします」


「どうもコシガヤ、カワゴエ姉妹です」


 ふたりは丁寧な言葉づかいの腰が低い妖怪だった。神として祀られていると聞いたので威厳のある怖い妖怪だと。


「夜にまたね〜」


 ふたりは行ってしまった。


 ホント、沢山の妖怪たちが現れる。かめら小僧さんに頼んで妖怪絵図ならぬ妖怪アルバムを作ってもらおうかしら。マカさんにイイおみやげになる。

 いいんじゃないかアヤ、ヤツを探せ。


 裏アヤもその気だ。


 ただ、アレが作ると妖怪浮世写真集になるかもな。だか、それの方がマカも喜ぶか。ケッケッケッ。


「どうしたのアヤさん、ニヤニヤして」

「あ、いえ。あのケイさん、かめら小僧さんの携帯番号知ってます?」


「イヤ、聞いてないよ」

「そうですか」


「アヤもヤツに撮ってもらいたいのか?」

「違うわ、静ちゃん。彼にハロウィン妖怪アルバムを作ってもらいマカさんのおみやげに」

「それは、いいかも。捜そうきっとオニ娘たちの近くに居る」


「あたしが捜してくるニャ」

「見つけたら、この携帯番号にかけてと伝えて」


 わたしからメモをもらった猫っ子は駅の方に走り去った。


「でもさ、あいつに撮らせたら女妖怪エロ写真集にならないか」


 珍しく裏アヤと意見があった静ちゃん。

 だよねあいつは、そういうヤツだ。


「あの首だけ美女の大首に叱ってもらうか」



 109の上に今度は居た「大首」さん。


「あれ、べつのかめら小僧が、大首撮ってる。アイツも妖怪よね。アレが、見えるのだから」

「ねえ、交差点の上に居た時より顔が白い。アレ、メイクしてない?」


「アレが、突然わたしのマンションに現れてさぁ。メイクをしてくれって。デカいからメイクするのに助っ人の小物妖怪呼んだりと金がかかったから、まいったよ。代金は後で届けるとか言ってたけど、大丈夫かなぁ」


「お歯黒姐さんも」

「ああ、日が沈む頃には皆来るよ」

「寝肥さん、大丈夫なんですか?」

「彼女は、寝なきゃ問題ないよクックック」


 『お歯黒べったり』姐さんは真っ黒な歯を見せずに笑った。

 今日も鼻がなく、少女漫画みたいなキラキラの目が描いてある。


「かめら小僧、あんた人じゃないだろ」


 静ちゃんの声で振り向いたかめら小僧は、目がなかった。帽子をかぶり、カメラをかまえてるとわからない。


「オレは確かに人じゃない。奇六(きろく)という妖怪だ」


「キロク? 目が無くても写真撮れるのか」


 と、『奇六』の顔を覗き込んでケイちゃんが。


「目はあるよ。ホラ、ココとココ。それにココにも」


 と、奇六は帽子を取りおでこに一つ。口を開け口の中に目玉が。手のひらにも、そして尻を出した。


 尻の穴にも目が。百目妖怪程ではないが、あるトコにない目が身体中にあるらしい。


「ホラ、コイツにも」


 と、カメラを見せられた。古い手持ちだが蛇腹の付いたレンズのトコに目玉が。

 やはり妖怪カメラだ。


               つづく

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