鬼娘七頭ミサキ
50話 鬼娘七頭ミサキ
オニ娘42のひとり、七頭ミサキは、鬼娘の中では一番可愛くて、人間ウケしている。
しかし鬼娘、頭には角が二本。口を開ければ牙がある。帽子でも、かぶり黙っていれば、並のアイドルには、負けないと仲間からにもうらやましがれている。
マネージャーで、鬼娘カンパニーの代表をつとめるぬらりひょんの娘、ヒョン紫咲は裏で怪異専門の興信所をしている。
彼女はオニ娘42で一番の能力者七頭ミサキを仕事に。
七頭ミサキは神通力にもたけている。
噂では鬼面を神通力で人面に変えてるとか言われているが、定かではない。
「ヒョンさん、仕事はないんですか?」
「ヒョンさんは、やめて。呼ぶならフルでか、紫咲所長と呼びなさい」
「はいはい、ヒョン紫咲所長。フワアァァァなんか、暖かいと眠いです……」
「最近はねぇあまり仕事ないのよ。まあ妖怪も悪さする奴らも減ったし」
「こないだの河童のジイさんが尻子玉盗まれた件は?」
「あれねぇジイさんが、自分で犯人見つけて示談にしたらしいわ」
「なら、頼むなっつーの」
「あんたが、捜さないでサボってたからよ」
「あ、ダンスの練習の時間だ。じゃ所長」
まったく、鬼は気まぐれだから。
「妖怪も悪さをしなくなったからねぇ。今時は人間の悪霊や生霊の方が怖いからね。そっち方面の商売敵は、多いから仕事も減るわ」
「じゃ鬼娘興行増やして下さいよぉ所長。人間の世界は物価高で暮らすのが大変で」
事務の小妖怪まで、そんな事を。
事務を任せてるのは『事務すまし』という。もともとОLだったが死んで地縛霊になりオフィスに居たら妖怪化して、この部屋を借りたら居たので今ではウチの事務員として雇ってる。
「紫咲のあねさん。イイ仕事とってきましたよ」
事務所に、やってきたのは興信所のぱしり妖怪『ドブネズミ小僧』だ。
多少顔はネズミ顔だが身体は人間で万年灰色の甚平姿だ。
「ハロウィンのパレード警護です。渋谷で行われるハロウィンパレードに妖怪連中も沢山参加するみたいで、悪さしたらおさめる仕事です」
「ソレは数が要るねぇ」
「それだけ依頼費はとりますと言っときました」
「最低でも十はいないと。オニ娘は五。あとは、あんた、ドブネズミ。集められるかい?」
「それくらいなら」
「じゃ頼んだよ」
「ヘイ!」
「所長。あいつって、いつまでたっても江戸時代ですよね」
「だから、使いやすいのよ」
つづく




