招き猫
47話 招き猫
世田谷 豪徳寺。
ココは招き猫で有名な寺だ。妖怪縁のある地なので来たのだが。
荒れ寺なら、妖怪も住みついたりするが、この寺は、招き猫の伝説等で盛り上がり。ハッキリ言って妖怪が居るような気配もない。
沢山の招き猫の置物がある。よく見ると招き猫って、右手を上げてるのやら、左手のやら、両方上げた犬のちんちん状態のもある。
キャラクター画があった、流行りの漫画絵だ。 豪徳寺の名が入ってるのはこの寺にあやかって付けたのかな。
この寺のキャラクターでは、ないようだ。
よく見る「ゆるキャラ」でもない。
まず、ゆるくはない。カワイイネコ耳キャラだ。
「こいつぅどこかで見たよねぇ」
「そう言えば。絵からして秋葉原あたりの……」
「ああ、ネコマタの孫だとかなんとか言ってた」
「猫っ子!」
「あいつ、この漫画絵、そのモノだなぁ」
「流行りの思念がああいう妖怪を創り上げて行くんだよ」
「また、会ったニャ」
「噂をすれば……。ネコ!」
「猫っ子ちゃん、こんにちわ。あなたココに住んでるの?」
「住んでは、いない。あたしは、いろんなトコに寝床があるの。ココには、たまに来るけど。気持ちのイイとこでもない」
「じゃなんで来んのよネコ」
「なんだろう。ココは妙に落ち着くんだけど、あっちの方から時々人間の欲の念が、流れて来る。今は、あんたたちしか居ないから寺の中が気持ち良いけど……」
「開運スポットとか、行くと人の欲望や願望が渦巻いて息苦しいとか、聞いたことがあるわ。そういうのねココも」
「ココにある招き猫は大丈夫なのか?」
「そいつらは、ただの置き物だ。坊主が毎日、経を上げてるから……。腹減ったニャ。じゃあねぇ」
「行っちゃたわ」
「相変わらず落着きがないなぁネコは」
女性の三人組が寺に入ってきた。
「あれでか……」
「招き猫って、妖怪の類じゃなかった?」
「元のネコはどうだったのか? ここのは、どちらかといえば縁起物。タヌキの置き物みたいのじゃない。招き猫の右手は福を招き、まあお金ね。左手は人を招くとか。書いてあった。ちんちんしてるのは両方だ。欲の権化だね。悪い気もたまるわ開運スポットって」
「妖怪的なもんで縁起物ってけっこうあるよね。龍とか麒麟とか」
「龍類は、妖怪より神に近い。龍の置き物も多い。多いと言えば河童も。どっかで河童が水の神と祀られてた。でも河童類もピンきりだからなぁ間違えると、お供物のキュウリが喰われるだけ」
「河童にとっては、おいしいんじゃない」
「最近出たのかなぁ? 秋葉原に行った時に妖怪根付っていうのであたしが売ってた。実物、あたしを見てないからか、顔がイマイチだけどね」
と、静ちゃんはポケットから根付を出した。
「カワイイ。それ、欲しい」
「あげる。あんたの根付はなかったけどフィギュアがあった。けど、アレは映画に出ていた二面のヤツだったよ」
「アレは不細工だからなぁ〜。なあアヤ」
「あんたより愛嬌があるよ、あっちは」
「ふん、あたしは愛嬌ふりまく存在じゃないわ」
また、裏アヤと静ちゃん。
まあ映画の二面は、わたしじゃない。
どうでもいいけど。
あ、でもこの根付イイわ。財布に付けちゃお。 コレでいつも静ちゃんと一緒。
いつも一緒だろ。あんたら。
遠野では、離れてる時が多いわ。
マカと逢びきとかな。
逢びきなんか、してないわよ。
裏アヤのバーカ。
つづく




