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自由が丘のゴム男

46話 自由が丘のゴム男


 スマホで、見つけたと。


 自由が丘。この街には、まるで海外のような通りがあり、日本のモンブラン発祥の地ということで静ちゃんが選んだ街だ。


 来てみると普通の街の通りもあるが、まるで外国に来たような通りも。


「なんか、居る。妖怪かしら?」


 ソレは、とある建物の前にただ座ってるだけだ。物乞いでもしてるのか? しかし、人には気づかれていない様子。


「あんな異様なヤツ誰も見てない。アレは人間には見えてないな」


 全身緑色で人でないのがわかる異相。

 それに丸裸だ。何物だろう? なんか妖怪でもない気がする。


「おい、あんたなんだ?」


 そいつは丸い目を見開いた。ちょっとカエルにも似てる。緑だからかなぁ


「あんたらオレが、見えるんだ?」

「ええ、見えたから声をかけたんだよ」

「そうだろうな。オレはグリーン・モンスターって呼ばれてる。別の国から来たんだ。まあもうず〜っとまえだけどな」

「なにしに日本へ?」

「べつに。来たくて来たんじゃないんだ。まあ来てみれば悪くない国だけど、ココは。ココへ来たのは……。長くなるけどいいか?」

「短めに」


「ある日、木材の上でうたた寝をしていんだ。気がついたら船の上で、また寝た。次に気がついたら、日本だった。というわけだ。まあ来た頃は異国のこの地に馴染めなくて落ち着くトコは、ないかと歩き回ってたら、ココを見つけた。この通りは落ち着く。まるで自国へ帰ったようだ。で、ただココでボ~っとしてるだけさ」

「故郷へ帰れないの?」

「いや、帰る気はないんだ。落ち着ければ何処でも同じさ」

「あっちこっち歩いてたの。もしかしてゴム男とか呼ばれてなかった?」

「ゴム男……。さぁ時々あんたらみたいにオレを見える奴に出会うが、特にナニナニと、呼ばれたことはない。たまに同類を見かけるんでオレ以外も日本にいるんだなぁとグリーン・モンスター。あ、こないだ見かけたのは人間の服着てたな。オレらは服なんていらない身体なのに」


 彼はそこまで話すと大きなあくびをした。そして眠そうな顔で。


「なんか、久々にしゃべったら疲れたから、じゃ」

「じゃって、寝た。ハヤっ」


 なんだか怠け者のモンスターなんだなぁ。


「なんだかなあ~。アヤ、モンブラン食べに行こ!」


「静ちゃん、ゴム男って?」

「ちょっと前にテレビで見たんだけど。どこかで写真を撮られ新聞とかに載った現代妖怪とか言われて騒がれた奴。知らない?」

「わたしは見たことないけど。それ、いつ見たの? マカさんのトコ?」

「だったと思うけど。アヤ居なかったけ?」

「わたし知らないから居なかったのね。静ちゃん、マカさんと二人きりで会ってるの?」

「たまに。あ、べつに変なことしてないよ。マカさん、あたしの頭の後ろ嫌いだから。いらぬ想像はしないように」

「べつにいらぬ想像なんてしてませんけど……」


 そうだよね、いくら綺麗な静ちゃんでも、妖怪だからね静ちゃんは。

 マカさんも変なコトしないよね。


「自由が丘って、オシャレな街だよね。東京に住むならこういう街がイイかな」

「静ちゃんは、美味しい物があれば何処でもいいんじゃない……」

「そんなことないモン。ああ、イイ臭い。焼肉かな」

「静ちゃん、モンブランは」


               つづく

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