大泉学園奇譚
45話 大泉学園奇譚
今度も私には縁もゆかりもない大泉学園。
ココに静ちゃんが、行きたいというのは。
ちょっと前になぜかハマっていたアニメ「魔法少女戦隊アーマージャム」の制作会社があるからで。
まさか、いきなり行って見学出来るとは。
近くに大手のアニメ制作会社とか、いくつかの会社も有り、この街はアニメの街で有名になってる。
その大手の会社は、アニメだけでなく映画会社としても大手大会社だ
むしろわたしは、そちらに行きたいが、外からながめる程度しか出来ないだろう。
「あなたたち、アニメ好きなのね。ウチみたいなマイナーな会社に来るなんて」
会社のベテランアニメーターの方が話しかけてきた。休憩時間らしく缶コーヒーを片手に。
「ねえあなたたち人じゃないわね」
「ええ、わかります?」
「わかるわ、私も、人じゃないもの」
さすがに仕事場では話しは出来ないと、ティールームに案内された。
「あまりアニメ好きの妖怪には会わないのよね」
「あなたも妖怪?」
「そう私は『画娘』。本来は、あんたたちみたいな娘妖怪よ」
「画娘。『画霊』という妖怪は知ってますけど」
「敬語じゃなくていいわよ。あなたたちけっこう昔から居るんでしょ。画霊は、絵の憑き物でしょ。私は描いてる方の妖怪」
画娘さんは、二杯目のコーヒーを販売機で。
「私、アニメが好きになり作る仕事がしたいと人間のふりして会社に入ったの。ココじゃないけどね。はじめは、有名なあの大手制作会社よ。まあ妖怪だから、ベテランになって年取っても変わらない娘姿だったから、そこやめてもう少し老けた姿でベテランアニメーターとして、ここの会社に入ったの。だから今は中年おばさんに」
「そうなんですね」
「見た目でしゃべったら、どうも敬語になっちゃうわ。画娘さんか」
人間と一緒だと、歳をとらないで、まずいのは、ありがちだ。
「ホントに妖怪は、いろんな職場にいるのね」
「あたしらみたいに遊びながら、のんびり暮らしてる妖怪の方が多いんだけどね」
大泉学園の駅近辺には、けっこう食事所が有り思わぬ収穫に静ちゃんは微笑む。
食事を終え駅前で、なんだかわたしたち似ている二人組と出会った。
背の低い方の人はわたしと似た服装ブルゾンにジーンズ。背の高い方はブレザーにロングスカート。髪型も同じ二人共ロングヘアー。
目が合った時、わたしみたいな子が。
「人間じゃないよね」
って。
聞くと彼女は妖怪ではなく。霊感が強く、よく街中で見かけた霊と話しをするんだとか。
「もしかして物の怪ですか?」
と、聞かれて思わず。
「はい」と。
妖怪と話しをしたいというのでお茶しませんかと、彼女。
静ちゃんは、いまいち帰りたかったようだったけど、彼女たちが行こうと言った喫茶店は洋菓子店と併営してるトコ。
入るなり頼んだ一つめのケーキを食べて気に入ったらしく、そのあと全種類頼んでご機嫌だった。
静ちゃん似の相方さんは霊感とかなく、霊感体質の彼女の行動にもなれて、楽しんでるという。ニコニコしながら話しを聞いて居た。
さすがに静ちゃんのケーキの食べっぷりには引いてた。
ちなみに顔はわたしたちに似ていない。けど、二人共可愛い。
二人は一緒に暮らしていると。
しかもフリーのアニメーターだそうで。
アニメの街を歩けばアニメーターにぶつかるとか、いうのかしら。
まさか、妖怪がアニメーターだったりとか。
よっぽど、美味しかったのか、ケーキを宿食用に買っていった静ちゃんだった。
つづく




