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池袋のスカウトマン

42話 池袋のスカウトマン


 池袋は新宿や渋谷、銀座とは、また違った街。

 水族館、高層ビル、秋葉原の様なオタクショップも多い。 

 ハロウィンも渋谷程ではないがにぎわうということだ。


 駅前のデパートは、新宿や有楽町よりみな、近い。おもしろいのは西口に東武百貨店があり東口西武百貨店がある。

 そして待ち合わせ場所にフクロウの像、池フクロウ。

 だジャレよね。

 人間はむかしからシャレが好きよね。

 最近はオジさんが言うとオヤジギャグとか言われるらしい。


「食事どころ、豊富ね。やっぱり銀座とか新宿より池袋は庶民的な感じ。さて、なにを食べよう」


 静ちゃんは、スマホで、店を選んでる。

 恵比寿で、会ったケイちゃんが、今度渋谷で会う時まで貸してくれた。

 あの子は常に三つ持ち歩いている。

 使い方が、わからないと言ったら、マイクマークにふれて、しゃべれば、使えると。

 それで静ちゃん、池袋のご飯屋さんと一言。


「やっぱりスマホ便利だねアヤ。よく、あいつに借りたエライ!」


「お姐さんたち、イイ仕事があるんだけど」


 あ、ヤバそうなのが声かけてきた。

 見た目はスーツ姿でメガネのサラリーマン風だけど、かけた言葉があやしい。


「キミたちみたいな美人なら凄く稼げるお仕事があるんだけど」

「あんた、お水のスカウト? あたしら観光だから、東京じゃ働かないよ」

「何処から来たのかな。これを機会に東京で働かない? 住むトコも、お世話しますよ」

「あぶないよね。あんたみたいなのが田舎者だましてアコギなことしてるんだろ」

「だます? ナニを。私は何も怪しいことはしてません」

「ちなみに、なんの仕事? 風俗は駄目よ」

「風俗では、ありませんセールスの仕事です」

「ナニを売るのよ。身体だったら風俗よ」

「ナニをおっしゃるウサギさん」

「ウサギじゃないわょ」

「薬品関係です」

「薬品、非合法のじゃないでしょうね」


「あのぉなんで美人だと、薬品でか稼げるんです?」


「精力剤の販売です。お嬢さん。おじさんたちは美人を見ると使いたくなるんです。で、売れます」


「見つけたぞ、ドロボーめ」


「あ、あんたは沼袋の!」


「わしをだまして尻子玉を盗みおって返してもらおう。この盗人が」


 ナニ? 突然現れたジイさん。

 麦わら帽子にコート姿。

 よく見ると目が離れてて、鼻の頭が無く穴二つ。口がデカい。

 この人は妖怪だ。


「尻子玉って、ジイさんカッパか?」

「おうよ、あんたら妖気を放ってるな。妖怪だよな」


「このメガネは?」

「コイツは半妖怪よぉ。ムジナ男ってんだ。オレから、だまし取った尻子玉を何に使ってんだ? おめぇが持ってても食えは、しねぇだろ」


「あ、いや。尻子玉から精力剤が造れるんだ。売れたらその売上の一分を沼ジイさんにもって行くつもりで、だましてはいませんって」

「ウソつけ! このクソムジナがあ」


 ジイさんは、メガネのムジナ男を捕まえてボカボカと、わたしたちは、そっとその場逃げた。


                つづく

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