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恵比寿

40話 恵比寿


「ココに恵比寿様とか、居るのかしら?」

「さあどうだか。別のが居るぞ」


 アレは、水道橋あたりで会った逆ナン妖怪。


「たしか、電話の付喪神よね」

「今はスマホ妖怪妻保ケイだっけ」


「あの子、キョロキョロして客さがし?」

「スマホ妖怪というよりは淫売妖怪だなあいつ」


「あ、お姉さん方。また会ったね」


 見つかった。


「あんた、恵比寿でなにしてんの?」

「客引きのバイトです」

「それってまずいんじゃないの。しかも昼間っから」

「わかってるよ。でもコレがイイのよ」


 と、指で輪を作った。


「あたしなら捕まってもすぐ逃げられるし。雇い主は、知ってるんだ。あたしのコト」

「まさか、雇い主って、妖怪?」

「そうタヌキの大将」

「大丈夫なのタヌキなんかに雇われて。バイト代が、葉っぱだったりしない」

「まだ、もらってないから、なんとも。気をつけるよ。妖怪が、タヌキに化かされたらハジよね」

「ソレもあるけど、犯罪はそこそこにね」


「じゃ姉さん、渋谷で会おうね」


「あの娘、いい子っぽいんだけどねぇ」


 静ちゃんが、言うんだから、そうなのね。

 確かに邪気は感じない。


「せっかく恵比寿に来たんだ、とりあえずビールいこかぁ」




 静ちゃんは、食事も凄いけど。

 お酒も強い。

 新橋の飲み屋さんで、人間の男たちと何度か呑み勝負してた。もちろん負け知らず。

 ある時に男客の中に妖怪『やろか酒』が、まざっていて、静ちゃんと最後まで競ったが、やろか酒が負けたくらいだ。

 やろか酒は、本来進める方で呑む方じゃないが、妖怪仲間では酒豪として知られている。

 やろか酒は、一人で呑んでると、人の姿でからんできて「やろうか、やろうか」と、飲み干したコップやおチョコに酒をついでくる。

 こいつにからまれたら悪酔い間違いなし。

 誰に語ってる表アヤ?


「この店、焼き鳥も美味しくて止まらない」


 静ちゃんのテーブル上に串の山が。


「お嬢さん、いい呑みプリだね。わしに何杯かおごらせてくれるかい」

「なに? あんたやろか酒?」


 突然、おじさんが静ちゃんの隣に座った。妖怪かしら、相変わらず妖気は。

 あれ、薄いけどわかる。このおじさん、妖怪だ。


「フワッフワァファわしだよ二口。サイタマのカスカベだ。人間の姿は初めてだな。岩男にまだ東京に居ると、聞いてな。もしかしたらと思って、此処へ。あんたけっこうなうわばみだと聞いたし」


 凄い勘だ。粕壁さん。広い東京で、よくわたしたちを見つけたわ。

 やはり妖怪の力かしら。


「一度呑んでみたいなぁと。今日は俺のおごりだ」


 昼間から。

 あまり呑まないわたしは付き合えないと、ちょっと店を出た。


 あっちこっち見てたら東京は高いビルが多くてすぐに暗くなる。

 まだ、ビルの横から夕陽が射す黄昏時。


 女の子が数人の男たちに囲まれてる。

 男たちはどう見てもカタギではない。

 あぶないなぁ。


「お嬢ちゃん、ここは蛇腹組のシマだって知ってて客引いてんのぉ」

「ナニ時代錯誤なコト言ってんのよ。蛇腹組なんて聞いたことないわ」

「それはお嬢ちゃんが、知らないだけだ」

「ガキ、おとなしく事務所までついて来な!」

「あんた学生? 見たことない制服着てるけど。本物?」

「カイジ、オメェのJK好きには、恐れ入るぜ。こいつ東京中の女子高生の制服知ってんだぜ。オメェもしかしてなんちゃてJK?」

「女、ホントは何歳だ?」

 

 バシッ


「おっぱいさわるな! スケベヤロー」

「やりやがったなガキ!」


「お巡りさーん。こっちこっち、女子高校生が男たちにからまれてまーす!」


「おうっ、まずい!」


「コラッ、逃げるな。やるんじゃないのか! だれだ、よけいなコトしゃがったのは。お巡りなんか来ねーじゃねーか」


「わたしよケイちゃん。よけいなコトしたかな」

「なんだ姉さんか。珍しいすっね一人ですか?」

「静ちゃんは、友だちと呑んでるの」

「そうなんだ。よけいだったよ、あんなチンピラあたし一人でもあの世に送っちゃてたのに」

「あの世に送っちゃまずいでしょ」

「あたしは半殺しにしてやったんだが」


 裏アヤだ。彼女を出すにはココはちょと。


「今のは?」

「裏のわたしなの、過激なんでね。まああなたも大丈夫だと思ったけど、ああいうのとコトを起こすと後が面倒よ気をつけてね。じゃ」

「わかってるよ。サンキュー」


               つづく

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