高層妖怪
36話 高層妖怪
「土門蔵人です。家は京都なんで、来ることがあったら遠慮なく寄ってください。ボク、修学旅行の最中で、時間内に宿に帰らないと。まだ、行きたいトコ沢山あるんですけどね」
「修学旅行……犬連れて?」
「わしは、小さくなれるから、何処へでも行けるんだ」
「便利なペットね。あのおじさん犬神」
「アイドルイベントとか、意外と各地から妖怪が、やって来てるのは人間と同じね。ココは。まあわたしたちも、同類だしね」
「さて、次は何処に行こうかな」
静ちゃんは本を出し。
「神田明神、明治神宮、靖国神社、神社はあたしら向きじゃないから、やめて。アヤ、何処か行きたいトコある?」
「東京タワー!」
「そういやぁスカイツリーは、行ったけど東京タワーへは行ってないな」
東京観光といえば昔は東京タワーと皇居だけど、皇居はパス。
「スカイツリーは上らなかったけど、こっちで充分だね。一反姐さんの飛行もいいが、こういう絶景もまた違うわ。うわぁびっくりさせるな!」
「どうしたの?」
「一瞬『天井くだり』が窓の外に顔を出したのよ」
「窓の外に……」
わたしは大きな窓の前で上の方を見たが、らしいのは見えない。
「なんで、こんなトコに?」
「あたしに聞かれても」
「天井くだりだった?」
「あっ! また出た!」
今度はわたしも見た。出てすぐに上に。でも、アレは猿に見えた。
「猿? それこそ、こんなトコによ」
「猿に似た妖怪かしら? 『ひょうすべ』とか」
「アレはこんなトコにはいないわ。新しい妖怪かしら『高層ザル』とか」
「なにソレ?」
「聞いた話し。高層ビルに住みつくサル妖怪」
「ココはビルじゃないよ」
「じゃ高層タワーザル」
「今、作った?」
あっ、猿にコウモリみたいな羽根付けたのが飛んで行った。
「アレはオズの国の飛び猿だよ」
「静ちゃん、テキトーなコト言ってない?」
ちなみに人間には見えていないようだ。
つづく




