かめら小僧
34話 かめら小僧
江戸末期に日本に来た写真機。
カメラが、電話同様。時代が変わり古い物が多く出て、付喪神化した妖怪『かめら小僧』。
アイドル等の追っかけとかしてる中にカメラを持ったファンをカメラ小僧というが、『かめら小僧』は妖怪だ。
どう違うのかは妖怪だから、神出鬼没。
何処へでも入れる。ただ、姿が昔のカメラに手足があるだけの妖怪なので、相棒になる者が必要。
その相棒になったのが豆腐を持ち歩いていた豆腐小僧だ。
豆腐をカメラに持ち替えて、妖怪かめら小僧になった。
宿ヘビヅカヤで、知り合ったかめら小僧も、元豆腐小僧で、付喪神化したカメラを手に、あっちこっち出かけて写真を撮りまくっているとゆう。
「でも、あんた。豆腐小僧でも一つ目種で指3本種よね、その大きな顔でデカい帽子。妖怪と、バレないの?」
「バレません。他のカメラ小僧たちは被写体しか見てませんから、隣に変なの居るなぁ程度です。で、良かったらお姉さん方写真を」
「あたしたち妖怪よ、ちゃんと写るかしら?」
「安心して下さい。カメラも妖怪ですから」
はじめは普通に撮ってた小僧が、ポーズを要求してきた、まではいい。しまいに。
「下着姿か、水着でいきましょう!」
「調子にのるんじゃないわよ!」
静ちゃんの髪が伸び、先がくるっと丸くなり小僧の頭にポカっと。
「すみません」
即席撮影会が、終わると付喪神カメラがお尻の方の平たい穴から写真を出した。
その時踏ん張るのが、写真にさわる気がうせる。と、静ちゃんが割り箸で写真を取り臭いをかいだ。
「臭くはないわね」
「当たり前じゃないですか」
「なんとなくカメラの写真の出し方がね。う〜ん。なかなかよく撮れてるじゃない」
「ありがとうございます。あの、今夜は時間ありますか?」
「寝姿は撮らせないわよ」
「違いますよ。今夜、地下アイドルのライブ&撮影会があるんです。一緒に行きませんか?」
「面白そうね。何処なの?」
「アキバの某所です」
深夜2時の秋葉原駅。
中央通りから横に入った奥の古いマンション。 で、中に入ってカメラ小僧が何やらカードを出し、受け付けの人と話している。
話がついたようだカメラ小僧は、わたしたちに手招きをして、中に入れた。
地下4階へエレベーターで降りると、ドアを開ける。
そこはちょっとしたライブ会場だった。
あの酔っぱらいのおにいさんが連れてってくれたお笑いライブの店より数倍広い。
すでに何人かの客が、カメラを持ち舞台前に。ここは客席がない。
舞台には幕が降りてる。
幕には大きな貼り紙が。
『ONIMUSUME42』と書いてある。
「鬼娘って、まさか……」
と、静ちゃんがつぶやいたのが聞こえた。
知ってるんだ静ちゃん。オニ娘42
すぐに会場はいっぱいに。この地下アイドルは相当人気があるらしい。
カメラ小僧たちの後ろに。同じシャツで鉢巻きした連中が並んだ。
幕が上がると五人の和服姿の女の子たちが、だろう皆、般若の面をかぶっている。
42人じゃないの?
音楽は鼓の音が鳴り響いたヨォっと声も入っている。
舞台の五人が能のようなスローなダンスを踊りだす。
音楽は三味線や琴だけからギターやドラムが入る。
と、オニ娘のダンスも速くなる。
鉢巻きした連中が踊りだした。
「あれが噂のオタ芸ね」
オニ娘のダンスが、終わると皆一斉に面を取った。
歓声が上がった。
「静ちゃん、アレ本当にお面取ったの?」
わたしの顔がいつの間にか後ろに。横の静ちゃんがあ然としている。
「コレは噂で聞いた鬼娘の舞台……」
前の顔、裏アヤが歓声を上げていた。
舞台の鬼娘たちと裏アヤの顔が似ていると思った。
よく周りを見ると、角が、あったり、三つ目や一つ目、現代人とは思えない服装の人が、いや人間と思えないのが沢山いた。
「アヤ、コレ地下アイドルじゃなく、地下妖怪ライブだよ。江戸時代に鬼娘の見世物が流行ったとか。それの現代版アレンジだよ。あたしは噂でしか知らなかったけど」
それから、顔に口だけの女妖怪の歌や幕に影だけの映る女妖怪のダンス。
ろくろ首三人娘の歌と踊り等の地下妖怪ライブが夜明けまで続いた。
つづく




