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夢の国

25話 夢の国


「ここは、浦安だから千葉県だよね」

「細かいコトは気にしない東京とついてるし、あたし、初めてだし」


 ゲームセンターで、静ちゃんが、突然。


「夢の国へ行こう!」


 と、はじめは、なんのことやら。


「遊べるし、観光も出来る。あそこ独特のグルメも」

「観光?」

「あの周辺や中は異世界だと、ガイド本に。異世界観光よ。そのうちに関西の方も行くわよ。あたしたちには時間だけは沢山あるから」


 関西には縁がないと思うが、岩男さんみたいな親切なお金持ちや良い宿があればいいんだけど。静ちゃん意外な知り合い多いからなぁ。

 まあ、まだ先の話し。今は夢の国を楽しもう。


「天気も良いから、平日でも、混んでるね。あっ、ミッキー・ネズミにドナルド・アヒル。テレビで見たのが居た。見て見て! 静ちゃんリスブラザーズだ。こっちには? ん、アレなんだっけ?」


「なによ、アレ。ココのキャラ? 可愛気がないわね妖怪の着ぐるみ?」


 全体的に黒く普通の着ぐるみさんたちより二倍ほどある。毛のない大きなまあるい頭に丸い目、大きなタラコ唇の口。手はない。腰には海藻のふんどし。短い脚でひょこひょこ歩いている。


「アレは、初めて見るけど海坊主じゃない?」

「なんか、他の人たちには、見えてないみたい。誰もアレ見て驚かないしぃやっぱり妖怪だわ」

「どうする。声かけてみる?」


 噂で聞いたことがある勝浦あたりに出ていたという海坊主だと思うけど。


「あーいうのと、仲間だと思われるのヤダから無視しよう」

「だね、遊びに来たのかしら? 向こうで、海坊主に手を降ってるのって」

「海女よ、きっと。こんなトコで海藻パンツでおっぱい出してるのは『ウミオンナ』よ。もしかして海坊主とデート? ちょっとうらやましわね」


「妖怪も来るんだねココ」

「着ぐるみの中にも居るかもね」


「キミたち女の子だけ? よかったらボクらとまわらない?」


 ナンパだわ。


「女の子? あたしたち、美魔女なの。あんたらのようなガキには興味ないの」

「なんだぁオバさんかよ」

「オバさんでも、すげぇ美人だぞ」

「オレ、デス夫人のファンなんだ」

「お前、こんなトコで老けフェチのカミングアウトかよ」

「オレはオバさんには興味ないからな」


「あんたら、オバさんオバさんと、うるさいね、どっかに失せな!」


 あ、また急に裏アヤが出た。その恐ろしい鬼面に驚いて男の子たちは逃げて行った。


「わたしたちって美魔女?」

「まあ違うくはないと……」


 そうかなぁ。


               つづく

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