ファンタジックジェネシス 2nd
ソレは暗闇の中にふいに産まれた。
音もなく
光もなく
匂いもなく
刺激になる様なものがまだ存在しないため
そこにただ揺蕩っていた
暗闇の中にある一点の光
それだけ
ただそこに在る
いつしか自らが存在するということ認識して
初めてソレは
孤独であることを認識した
狂うことも出来ず
ただただ孤独を感じ
何も無い虚無の世界で存在することは
とても痛くて
一つの光として爆発した
それは周りにある虚無を巻き込み
螺旋を為して
無限の時を経て
時間と空間を成した
ソレは一つの惑星の中に
自らに似た存在を為した
自らの存在を模した生き物は
2つで1つとなる様にした
ソレ自らが得た冷たくて痛くて耐えがたいものを
自らの存在を模した生き物が知り
2つひとつの生き物によってソレがえた
暖かく柔らかく心地良いモノを
ソレによって得てもらい眺めることを求めた
永い時を経て
神とその眷属が世界を創った物語は
聖書と呼ばれる書物に記され
人の世の在り方を記したとされるが
一つの存在が
自らの寂しさを埋める為に創られたことは
理解し得るものでは無かった