8.小人のジジイ
取りあえずだ、この靄の事を黙っておくわけにはいけないと思った私は、すぐにカナエに打ち明けた。
「なるほどね、突然私に黒い靄が掛かったと。」
なんとなくだったが、声の事は言わないようにした。
もし、本当にあれが心の声だとしたら、問題だ。
「とりあえず、魔法ジジイにでも相談しようか。」
魔法ジジイ、聞いたことない名前の人だ。
魔法ってなんじゃ?
と、言うことで私たちはその魔法ジジイとやらの人がいる店に来た。
紫な壁、いかにも魔法的な感じのする個性的なお店だった。
「失礼しまーす。」
カナエが元気にドアを開けた。
中もなかなか個性的な感じ。
っていうか、おいてるものがこの世のものとは思えないものばかり。
綺麗なビー玉のでかい版から、何かの植物?毒がありそうな植物もちらほら。
さらに瓶の中にネズミらしき生物のミイラ。気味が悪い。
そして、奥にいたのは・・・まるで小人のように小さい、けど顔だけ爺さんな気持ち悪い生き物がいた。
「ん?カナエか、で奥にいる椅子に座っとる奴は?」
喋った。
どうやらこの生命体は人間なのかも知れない。
「ああ、ここにいるのはミラちゃん。私の友達。」
「ほお、友達か、どれどれ・・・なるほど・・・」
小さなおじいさんは私に近づき、じろじろと見ていた。
やっぱり気持ち悪い。
「むむ!右足が動かないと見た!」
何!当てられた。
確かに椅子に乗ってたけど、どっちの足かまで当てるとは。
この爺さん、強い。
「ミラちゃん、紹介するね。この人が魔法ジジイのマトラーさん。」
マトラーさんか、人で良かった。
って失礼だな。