2.すべて足のせい
ある晴れた日、一人の女の子が生まれた。
その子は、生まれつき右足が不自由で、ほとんど動かなかったのですが、優しい両親によって、元気に育ったのでした。
しかしある日。
私が9歳のころのお話し。
「今日は久しぶりの旅行だな。」
今日は久しぶりに家族で旅行に行くことになった。
「ミラは旅行楽しみ?」
お母さんが聞いてきた。
「うん、楽しみ!」
私は足が不自由で、いつも車いすに乗っていたが、それでも外に出ることが大好きだった。
鳥の囀り、川のせせらぎ、自然を愛していた。
「本当にミラは元気だな。」
と、言う感じで高速道路を走っていたのであった。
しかし・・・
「ん?」
運転していたお父さんが何かに気づいた。
「どうしたの?」
「あの車・・・逆走じゃね?」
みると、ある軽自動車が明らかに逆走していたのである。
そしてその車はあっという間に近づき・・・
「危ない!」
私たちが乗っている車にぶつかった。
・・・
あれからどれだけ私が気絶していたか分からなかったが、気が付いた時には私は包帯グルグル巻きで病院にいた。
私はなんとほぼ軽いかすり傷だけだったらしい。
私の父と、母の命を引き換えに。
私は、今まで住んでいた場所から遠くのおじいちゃんの家に引っ越した。
しかし、足が不自由な私に、おじいちゃんはいつも冷たかった。
学校も転校したが、私を知っている人は一人もいなく、足が不自由な私を理解しようとする人は誰一人いなかった。
私はみんなからのけものにされたのだ。
私に対するいじめもどんどんエスカレートし、筆箱を捨てられ、机の落書きは毎日増え、いつも悪口を言ってきた。
おじいちゃんも私に冷たく、学校の事を話しても
「しらん、お前の足が悪いんだろ。」
仲間は誰もいない。
何で私だけ・・・この足のせい・・・
何でみんな私を・・・皆が大嫌い・・・
朝起きるのがつらくなり、頭の中は常に死にたい、死にたい、だけだった。
そして私は・・・
死んだ。