1.信用出来ない
それは、ある晴れた日のことだった。
一人の女子がある家の二階から飛び降り、自殺したのだった。
そう、自殺したはずだった。
・・・・・・
私は再び目を覚ました。
何かとザワザワと、音がしたからだ。
目を開けると、そこにはヨーロッパ感溢れる街にいたのだった。
「え・・・嘘・・・」
突然のことで、私は驚いてしまった。
私は伊藤ミラ。ちょっと変わった中学生で、自殺をしたはずが、気づけばこんな場所にいた。
ちょっと変わったと言うのは、右足がほとんど動かないことで、それ以外は本当に普通の中学生。
それよりも、私は突然涙を流した。
遂に自殺したが、失敗なのか知らないが、私は元気そのものだし、しかもどこか分からない場所に突然来た。
当然どうすればいいのか全く分からない。
しかも立てない。
どうすれば・・・どうすればいいの?
私が泣いた事により、街の人が足を止めるようになった。
そしてある大柄な男のひとが
「おう、嬢ちゃんどうした。迷子か?」
と、心配だったのか近づいてくれたが・・・
信用できない。
今までどれだけの人にいじめられたか、もう覚えてない。
この人も何かするに決まってる。
私は近づいてきた男の人を睨んだ。
涙目で睨んだ。
私に近づくな・・・私に近づくな・・・と思いながら。
しかし彼、いや街の人は一切引こうとしなかった。
そして大男何かを察したように
「俺らはお前にひどいことはしない、だから落ち着け。」
うるさい!そんな事いって皆・・・皆・・・
私を裏切ったのに。