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奈々が世界を救うまで  作者: 小柳團十郎
一度っきりの高校生活
6/24

誰も気付かない、終わりの始まり

夏休み、高校生の夏休み。

友達とバーベキューをし、海で泳ぎ、山で星を眺め、花火大会でステキな男子とひと夏の経験をする、そんな高校生の夏休み


のはずだった。

「ぐげぇ…。」

「それでも女かよ、姉ちゃん。」

私のうめき声を聞いて弟の優が呆れた声で言う。

そう、ここは家。いつもいる家。なんの特別感もないただの家。

一度しかない高校一年の夏を、私は家で自堕落に過ごしていた。

「そんじゃ、俺は出かけてくるから。」

「いいわよねぇ。優は青春してて。」

姉を放ったらかして遊びに行く弟を睨みつける。

「姉ちゃんも出かけりゃいいじゃん。ほら、井ノ上さんとか。」

「真希ちゃんは家族と海外旅行だって〜。」

真希ちゃんはテスト勉強なんかで私の家に何度か遊びに来ている。そのとき優とも面識を持っている。

「ちぇっ…。」

小さい呟きを私は見逃さなかった。

優は真希ちゃんが気になるらしい。全くマセガキなんだから。

お前なんかが真希ちゃんを好きになろうなんて百年早い。

とは思うものの、流石にそれを茶化すほど私も馬鹿じゃない。

弟の淡い失恋をとくとながめてやろうじゃなあか。

「いいわよねぇ。真希ちゃんは。」

「は?姉ちゃんが井ノ上さん羨むとか百年早いんだけど。」

「くたばれクソ弟!」

私の気遣いも知らずにぬかしやがったなこいつ!

「んなんだから、井ノ上さんに置いてかれんだよ。俺にもな。」

怒った私から逃げるように、優は出ていった。


その日、優は…死んだ。

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