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奈々が世界を救うまで  作者: 小柳團十郎
一度っきりの高校生活
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二人の初対面

入学式が終わり、クラス分けの掲示板を見に行く。

今から自分がどのクラスになるのかワクワクする一方、何の情報もない現状、どこに行こうが同じという気持ちもある。

「A組…か。」

連なる名前に見慣れた物はない。まぁ私の中学からこの高校に進学したのは一人だけだから当然だ。

「教室は…。ん?」

自分のクラスはわかったことだし、さっさと教室に行こうとすると、一人の女の子が掲示板の後ろで困っている。

長い髪を両側でお下げにし丸眼鏡をかけた彼女は、掲示板を睨むように目を凝らして、やはり見えないのか落胆する素振りを見せる。

困ってる…んだよね?

目が悪いのだろうか、声をかけたほうがいいんだろうか。

でも、余計なお世話だったら?周りの人も誰も声をかけてないし。

変なことをしたら浮くかもしれない。それぐらいだったら大人しく静かにしていよう…。

「どうしたの?」

声をかけた。かけてしまった。どうしよう、迷惑じゃないだろうか。声が上ずってたんじゃないだろうか。何だこいつとか思われてないだろうか。やっぱり声なんてかけるべきじゃなかった。

「あ、あの。私、目悪くて。それで。眼鏡かけてるんですけど、でも間違えて昔のやつかけてきちゃって、それで…えっと。」

話しかけられた子は私もびっくりなほどきょどっていた。

それを見て、失礼だけど私は幾分余裕を取り戻すことができた。

「掲示板見えないんだ。じゃあ私が見てくるよ。名前教えてくれる?」

「あ、私…。えっと、い、井ノ上です。井ノ上真希。」

「わかった。ちょっと待っててね、井ノ上さん。」

私は掲示板で再び、今度は自分ではなく井ノ上さんの名前を探す。

すぐに見つかった、私と同じA組だ。

「井ノ上さんA組だったよ。」

「え、A組ですね。ありがとうございます!」

「私もA組なんだ。よろしくね、井ノ上さん。」

「よ、よろしくお願いします。」

「じゃ、じゃあ。一緒に教室まで、行こうか?」

なんとなく誘ってしまった。駄目か?その場の流れで、でもちょっと双眼鏡代わりのことをしただけで厚かまし過ぎただろうか。

「あ、そ、その前に。」

断られた。やっぱりグイグイ行き過ぎたんだ。

どうしようウザいやつだと思われたら。

「な、名前、教えてください。」

「な、名前?」

どうして私の名前を?私は別に掲示板は見れるのだが。

「し、知っておきたいんです。…友達になりたいから。」

ああ、そっか。私どれだけテンパってたんだろう。

そして、きっとこの子も今すごいテンパってるんだろう。

私が勇気を出して話しかけたみたいに、今彼女は勇気を出して聞いてくれたんだろう。

凄い不思議な感覚だ。名前を聞くだけなのに。ちょっとお話するだけなのに、とっても怖くて勇気がいる。

でもきっとすぐにそんな事は無くなるんだ。

相手のことを知って、相手に自分をわかってもらって。

だって私達は

「私は柏木奈々。よろしくね、真希ちゃん!」

「!はい、よろしくお願いします!奈々ちゃん。」

友達だから。

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