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今日から高校生
ジリリリリリリリ
鳴り始めためざまし時計をすぐに止め、私はベッドから飛び起きた。
めざまし時計より前に目ならとっくに覚めてる。
寝間着を脱ぎ捨て、ハンガーにかけてある制服を見つめる。
クリーニングしてから一度も外していない透明なカバーの中、シワひとつない制服が私を迎えてくれる。
久しぶりに袖を通すシャツの冷たさが心地良い。
制服を着終えて鏡を見る。
鏡に映る自分。私の名前は柏木奈々。
普通とはちょっと違う、選ばれた人間だ。
だって私は受験に合格して、この制服に袖を通すことを許された選ばれた人間なのだ!
そう、今日から私は高校生なのだ。