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「お見合い」① そして、新境地へ

作者: 水原 たか

「お見合い」についてあなたはどう思うであろうか。

 ここでいう「お見合い」は、男女が結婚相手を求め、仲介人もしくは、それに準ずるものを通して、提供される出会いの場のことである。


 日常生活での出会いがない人が、利用する。などと、思われているフシがある。

 間違いではないと思う。が、正確に的を射ているとは思わない。


 日常は出会いと別れの宝庫である。その気になれば、いくらでも「出会い」なぞ作れる。ただ、そこに、恋愛感情を持ち込めるかどうかは別の話だけれど。


 少し話が迂遠になったが、先日、親にお見合いサイトの入会を勧められた。


 特に抵抗もなく言われるがままに入会をした。どうなのであろう?20代終盤になると、そういう話が出てくるものなのか。周りの同世代に聞いてみたが、言われたことはないという。


 早速、入会したお見合いサイトに個人情報を登録した。すると数日して、マッチングした女性のリストが上がってきた。


 早速拝見すると、10数名程の女性がリストに載っていた。そのリストの8割が30代半ばもしくは、40代のお姉さま方であった。バリバリのキャリアウーマンとお見受けする方が多かった。ん?、と頭を傾げつつリストを眺めた。特に年齢の指定をしたわけではない。私が以前回答したところから、何かを読み取り、リストアップしたのであろうか。

 女性の詳細は、お見合いサイトの実店舗にて確認できるとのことだった。


 脚を運ぶか運ぶまいか考えた。

 なにぶんなんか恥ずかしい。どんな格好で行ったらいいのかや、なんかマナーに煩そうな小姑みたいなのが出てくるんじゃないか、と少し懊悩。


 考えてもいても仕方ないと思い、訪ねることにした。

 大型ショピングモールに店舗が入っており、広々としたホールの片隅にひっそりとお店は営業していた。少し寂れた雰囲気もあり、一瞬、入店することを躊躇したが、恐る恐る及び腰で中に入った。


 店舗に入り中を窺うと、受付の妙齢の女性が出迎えてくれた。来店主旨を伝えると、個室に通され、渡された紙に名前などを記入した。少しすると、先程とは別のこれまた妙齢の少し艶っぽい女性が個室に入ってきた。


 私の担当になる女性だった。簡単な自己紹介を受け、暫しの談笑を交えた後、本題に入った。それにしても笑顔がとても映える女性である。膝丈スカートのスッキリとした茄子紺のスーツ姿の女性は、開襟シャツがよく似合っていた。

 一見したら同世代の女性かと思う程に若々しく、涼しげな目元が印象的な方であった。加えて、とても気さくで、優しげな瞳にひたと見据えられると何か勘違いをしそうである。実に危うい存在である。


 こりゃ、この人に惚れてしまう男性会員も多いのでは?と率直にそれっぽいことを聞いてみた。


 笑顔で回答をはぐらかされたが、否定はされなかった。けれど、どこか困ったような笑顔もまた危うい。心が傾きそうになる自分に内心苦笑いだった。


 今回は、簡単な面談を兼ねて、リストにあった女性に会うかどうかだったので、一応数名の方と会う希望を伝えた。それで、相手が応えてくれれば、その場の席を後日セッティングするということである。


 ここまで書いて思ったが、、、私はどうやら担当の女性に心を寄せている気もする、、、どうであろう?そのように読み取れるフシがないだろうか。


 20代終盤にきて、新境地を切り開いてしまったようだ。いわゆる「熟女」という属性に属する担当者の女性。というか、マッチングの段階から、なにやら示唆されていたような気もする。

 うむーーー前途多難である。


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― 新着の感想 ―
[一言] 私は、30歳になっても特定の相手がいなかったらお見合いも考えてと親に言われておりました。 何となくお見合いは嫌だったので、 30歳ギリギリ手前で見つけられましたが。
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