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エキセントリックデート

作者: BJ

前回壮絶なお見合いで結婚を前提につき合うこととなった友春と美佐子

今日が記念すべき第一回目のデートの日

はてさてどんなデートになることやら

かくして愛を深めるべく二人の初デートは今まさに始まろうとしていた



…………………………【待ち合わせ】………………………………


「ウフフフッ、今日は友春さんと初めてのデート・・空は快晴だし生理もおととい終わったし、ウフフッ・・いったいどんなデートになるのかしら・・私を何処へ連れて行ってくれるのかしら・・ウフフッ・・楽しみだわ、ホントにかれってミステリアスなんだも、そこがたまらなく魅力的なのよねウフフッ・・ぁあっ、早く逢いたいわ・・それにしても遅いわ・・もう4時間くらい待ってるかしら?」

「美佐子さん・・」

「え?」

「美佐子さん・・」

「ぇええっ!?」

「美佐子さん・・」

「ぇぇええええっっっ!!!この声は確かに友春さん!!し、しかし声はすれども姿は無し・・ど、何処ぉおおっ!?友春さん何処なのぉぉおおおっっ!?」

「ここだよ」

「え?」

「ここだよ」

「何処よ!何処にもいないじゃない!早く出て来てよ!早く逢いたいのよ!早くあなたに逢いたいのよぉぉおおおっっ!!いじわるしないでよもぉぉおおおおっっ!!」

「はっはっはっ!ゴメンゴメン、後ろを向いて西郷さんの銅像を見てごらん?」

「??????・・・・!!!!・・さぷらぁぁあああーーーいずぅぅうううっっ!!!」

友春は昨日の晩のうちにクレーンで西郷さんの銅像を撤去し自らが西郷さんに変装しその時間から今に至るまでずっとその姿で美佐子を待ち続けていたのだ。これは友春の限りないサービス精神と1秒でも早く美佐子に逢いたいと言う情熱のなせる技であった

友春は台の上からスッタッと飛び降りるとグッと美佐子の顔を見据え胸を張り両腕を腰に当てこう美佐子に言い放った

「おいどんがぁ、友春でごわす・・ナイスツゥー・ミーチュー!」

「逢いたかったわぁぁあああ友春さん!!」

美佐子は友春の胸に飛び込んだ

友春は美佐子をドンッと胸で受け止めるとすかさず美佐子にコブラツイストをかけた

「ナイスツゥー・ミチュー!ナイスツゥー・ミーチュー!」

「もっと絞めてぇー!もっと絞めてよぉおおっ!きつくきつく絞めてよぉぉおおおっっ!!」

コブラツイストをいったん解き美佐子の額めがけてチョップの嵐

「ぁあぁ〜・・ぁああっ!ぁあぁ〜・・ぁああっ!ぁああっ!ぁああっ!ぁああっ!ぁああっ!」

ブホォォオオオッッ!!

額が割れ、美佐子の額から鮮やかな血飛沫が約70センチあまり吹きだす

ズガンッ!!

朦朧とした目つきでヨロヨロしながら顔面血だらけの美佐子にドロップキック!!

およそ6メーター吹っ飛んだ美佐子の元へバク転側転で近寄り美佐子の胴を持ち抱え上げ胸一杯の愛を込めたブレーン・バスター!!

グシャッ!!・・・ドサッ・・

美佐子はアスファルトの上に崩れ落ちた・・

カシャッ!カシャッ!カシャカシャカシャッ!カシャカシャカシャカシャカシャカシャッ!

その美佐子の周りを回りながら使い捨てカメラで血だらけで横たわった美佐子を執拗に撮りまくる友春

「いい!いいよ!美佐子すごくいい!カシャッ!いいよ!そう!そのまま!カシャカシャッ!」

やがて友春は持参の高圧洗浄機で血だるまで失神している美佐子とその周辺を洗い流し始めた

「見せ物じゃないですから!見せ物じゃないですから!ささ、皆さん離れて離れて!」

高圧洗浄機の勢いで意識を取り戻そうとする美佐子

その美佐子の後頭部に速攻の延髄蹴りで再び失神させる友春

友春はびしょ濡れになった美佐子の服を脱がすと持参のバスタオルで丹念に美佐子を拭き上げこれまた持参の韓国の民族衣装【チマチョゴリ】に着せ替えた

友春は意識を失った美佐子を抱きかかえ近くのベンチの上にそっと横たわらせた

チマチョゴリ姿で眠るように横たわっている美佐子の姿を見て友春は心の中でこう呟いた

「トレビアン・・ビューテホー・・エクセレンス・・美しい・・美しすぎる・・美佐子・・どこまでもブリリアントだよ美佐子・・」

そう呟きながら友春は美佐子の鼻を片手で摘みもう片方で口を押さえ込んだ

次第に手足をバタバタさせる美佐子

押さえこみ摘みこんだ友春の腕に爪を立て一段と強く両腕で友春の腕から血が滲むほど掴み両足を天高くバタつかせてベンチの上でもんどりうつ美佐子

「GoOOOOOっっ!!!」

友春はそう大声で叫び両手を美佐子の顔面から放した

「プハァァアアアーーーッッ!!はぁはぁはぁはぁ・・はぁ・・はぁ・・こ、ここは何処?!!この服は何!!なぜベンチの上・・!!!友春さん!!私どうしちゃったの!?どうしてこんな服着てるのよぉぉおおおっっ!!?痛ああっ!額が後頭部が全身が痛ぁああああああっいい!!一体私に何があったのよもぉぉおおおおおおおっっ!!!」

「デジャブさ美佐子さん」

「デジャブ?」

「そうさデジャブなのさ」

「君はいま僕に逢えて猛烈に嬉しい・・そうだろう?僕と君の前世は韓国人なんだ。そしてその前世でも恋人同士だったんだよわかるかい?だから君は今チマチョゴリを着て僕の目の前にいる、そして僕はキムチを食べながら唐辛子を天高く大量に投げ放ちながら君にこう言う。アノタガァアッ、トゥキタカラッ!!」

「私達って前世でも!?」

友春は微笑みを見せゆっくりうなずき

「カミサハムニダ・・サランヘヨ・・マシッソヨ・・」

「これで理解できたわ!デジャブッて言う意味も、なぜあなたをこんなにまでも好きなのかがぁあっ!何もかも何もかもすべて分かったわぁぁあああっっ!!アンニョンハシムニカァァアアアアアアアッッッ!!!!」

「アイゴォォオオオオオオオオオ〜〜〜〜ッッッ!!美佐子ッセヨォォオオオオオッッ!!」

「アイゴォォオオオオオオオオオ〜〜〜〜ッッッ!!友晴サムニダァァアアアアアッッ!!」

二人は号泣しながら抱き合った・・公衆の面前で臆面もなく抱き合った・・果てしなく熱く・・果てしなくきつく抱き合った・・そしてキスをした熱く熱く深く深く・・そして服を脱いだ・・臆面もなく・・公衆の面前で・・そしてベンチの上で激しく愛しあい始めた・・臆面もなく・・公衆の面前で・・二人の周辺はいつのまにか黒山の人だかりでごったがえしていた・・やがてそれを遠巻きにパトカーが横付けし4人の警察官が降りてきて人の波を押しのけなが駆け寄ってきた

「なぁあああにを公衆の面前で臆面もなくやっとるんだあんたらはぁぁああああっっ!!」

二人は二人の愛の宇宙の彷徨いに警官達の声も聞こえるよしもなくただひたすら情念のおもむくままに二人激しく狂おしくベンチの上で互いの腰をなんどもカチ当てていた。まるでその様は今生でも出逢った喜びにグラスをカチあてるように互いの魂を乾杯させているかのようにも思えた

「これ!ほらっ!やめなさいってば!こらっ!・・・・いいかげんにせんかきさまらぁぁああああっっ!!」

4人の警察官は激しく激しく身悶えしながら愛の営みの行為をがむしゃらにやり続ける二人をベンチから抱え上げながら黒山の人だかりをせわしく鬱陶しくかき分けながら小走りでパトカーの方へ向かって行き激しくもんどりうつ二人をパトカーのトランクの中にうざったくほたり投げ込むとそそくさトランクを閉めサイレンを高々と鳴り響かせながら急発進でその場を立ち去った

走行中トランクの中で今だ激しく愛しあう二人のあまりにもパワフルなバトルファイティングに運転している警官はハンドルをとられながら蛇行運転でヨロヨロしながら時には電信柱にぶつかりながら時には並木をへし折りながら時には人も跳ねたりしながら街並みを駆け抜けパトカーのサイレンの音と二人のけたたましいよがり声は次第に遠ざかって行きやがてなにも聞こえなくなった・・

                    〓END〓






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