007
私は悪魔にゆっくりと、歩み寄った。
先ほどとうって代わり、悪魔は後ろに下がった。
警戒している。
「どうしたのかしら?威勢がさっきより、半減してるわよ?」
試しに、挑発した。
「......」
しかし、悪魔は何も言わない。
ただ感情が込もっていない目で、私を
私の動きを用心深く見ているだけ。
相手からは、一切しかけてこない。
やがて、私はじりじりと近寄るのに疲れ、相手の周りをグルグルと回った。
そして、一周したかどうかとゆうぐらいで、私はあいつに飛びかかった。
悪魔は、私の体から出ている赤い闘志が、剣からも出ていることに気づき、身構えていた。
そのため、私の攻撃は弾かれそうになる。
寸でのところで、攻撃せずに脇にそれた。
そしてまた、Uターンして攻撃を仕掛ける。
何度も何度も、同じことの繰り返し。
さすかに、悪魔も呆れてきていた。
「勝てないって分かってるんだったら、さっさと諦めて、死んでくれよ...」
懇願してしまうくらいに、私は呆れられてしまったらしい。
私は動きを止めた。
悪魔に言われたからではなく、私の準備が完了したから。
「神の円に囚われし者に、裁きを!」
声を地深くを震わせんばかりに、大きな声で叫ぶ。
真っ赤な縁の円が、悪魔を捕らえていた。
中央には、様々な複雑な文字が記されている。
輝きはまし、人間の血のように、真っ赤に。
「これで、終わりよ!」
剣を円に叩きつける。
炎が現れ
悪魔の体に襲いかかる!
「な、何!?」
動揺していた。
これで終わり―
私は腰が抜けて、座りこんだ。
下が汚いことすら、気にならなかった。
(久々に、この大技はキツい)
「フハ!面白い!」
急に声が。
悪魔だ。
あれ?
「ま、まだ死んでなかったの?」
まさか
そんな。
「んーと、実を言うと死にかけた。いやぁ、間一髪!ギリギリセーフ!てねっ!」
悪魔が、私の目の前に。
慌てて、手をついて起き上がろうとした。
が、腰が抜けているせいか、中々立てない。
やばい!
このままじゃ殺られる!
「そんなに慌てて、どうしたの?あ、そうか!疲れちゃって、立てなくなっちゃったのかぁ」
クスクス笑う。
冷や汗が、私の首筋をつたった。
これは非常にまずい...。
「このまま手を降り下ろせば、簡単に殺せるけど―それじゃ、つまらないよね」
上げていた手を下ろした。
(どうゆうこと?)
私は意味が分からずに、逆に不安を覚える。
「また、お前が元気になったら、遊んでやるよ。面白かったしね」
そう言うと、視界から居なくなった。
「覚えてろよ!ハハハ!」
悪魔の去り際の一言を聞き、
意識が遠退いていった。