003
大都市近くのエマー地区にて
「もっと、もっとだ!もっと壊しちゃえ!!」
一人の少年の嬉しそうな声と、破壊音、人々の逃げ惑う叫び声が響き渡る。
ちょっと前まで賑わっていた通りだったというのに。
「あの子が今回の討伐対象?まだ小さいじゃない...」
物陰に隠れ、敵の様子を伺う。
「子供とゆう容姿に騙されてはいけませんよ、先輩。あいつも立派な―悪魔、なんですから」
肩越しに言われた。
そんなの知ってる。
「テル、あなたの分析は?」
彼は悪魔専用の分析者だ。
「一言で解りやすく言うならば"危険"ですよ」
危険...
つまり、要注意。
言い表し方は何でもあるけど
分析者の彼がこう言うということは、それなりのリスクがあるとゆうこと。
「何だレイ、ビビってんのか?」
カナメが私を馬鹿にしたように、顔を歪めていた。
(そんなことない。馬鹿にしないで)
だけど、私の心は震えてしまう。
「まさかレイ先輩に限って、そんなことあるわけないじゃないですかぁ〜」
間が抜けた、明るい返事がする。
私じゃない。
ユマのものだ。
「ユマちゃんが言うなら、そうだよな」
さっきまで、人のことを笑っていたくせに。
ユマがかかわると、すぐこれだ。
(カナメは、ユマのことが好きね)
焼いてはいない。
「さっ、他のグループに先を越される前に、行動に移しましょう!」
テルが急かす。
「ヤレヤレ、それじゃあ行きますか!」
カナメはテルの後ろを着いていく。
しかし、私はその場から一歩も動かなかった。
「先輩、私達も行きまっしょーう!」
敵を見る。
「ほらほら、逃げないとやられちゃうよ!」
声が頭の中でこだまする。
「先輩!」
「え、何?」
ユマが耳元で怒鳴った。
ビックリした...。
「もう、先輩たら!ずっとユマが話しかけてるのに、上の空!何かあったんですか?」
心配そうに、顔を覗きこんでくる。
「大丈夫、問題ないわ」
二人の後をおい、歩き出す。
「先輩ってば、変なの」
小さな声でユマが、ボソッと呟いた。
結構速めに、今回は更新出来ました。
不出来ですが、宜しくお願いします。