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  作者: 砂倉麻奈巳
2/116

002

太陽が昇る。


それは、地球ーこの世界にとっては、自然の摂理。


昇っては沈み、の繰り返し。


日が窓に差し込み、部屋を明るく照らしていた。


(なんて神々しいのだろう...)


思わず、溜め息が出てしまいそうになる。


「ま、今は溜め息より欠伸が出そうだけど」


別に誰かと話している訳ではない。


ただの独り言。


「はぁ〜、お早う」


欠伸をしながら、近付いて来る人物が居た。


振り返る。


「ああ、お早う」


何だこいつか


私は素っ気なく朝の挨拶を返した。


「レイ、起きるの早いな」


素っ気ない態度など気にもとめず、話しかけてくる。


(本当は、会話なんてしたくないくせに)


「カナメが遅いだけでしょ」


彼を―カナメを見て、私は言う。


実際、人のこと言えた義理じゃないけど。


いわば、ライバルの前では意地を張りたくなるもの。


「もしかして、お前...」


カナメは分かったかのように、声を上げた。


睨み付ける。


彼が余計なことを口走らないように。


「わ、分かった!言わない!だから、いつにもまして怖い、充血した目で見ないでくれ!」


私は目を反らす。


(全く、失礼なやつ)


確かに、寝てないから目は充血してるかも知れないけどさー。


普通、言うか?


そんな感じ。


「疲れたー」


体を折る。


こんなやつ、相手にしてるだけで疲れる。


「んじゃ、また後でね」


もう、話すこともないし。


そう思って私が、自室に帰ろうとしたその時―


テゥテンテゥテン!


けたたましいサイレンの音が。


『緊急事態!緊急事態!市街地で暴れる魔物が出没!隊員は直ちに、チームにごとに別れ、出動!』


機械的な女性の声が伝える。


カナメと目が合う。


「どうやら、休んでる暇ないみたいだぜ?」


彼が言う。


まるで、これから狩りにでも出掛けるように、嬉しそうだ。


闘志すら感じられてしまいそう。


「分かってるわよ!じゃあ、行くわよ!」


悔しかったせいか、私は一目散に走り出した。


戦いに行くために―



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