第3話 あいつが赤らむ理由をわたしは知らない
第3話です
「ねぇ本当に気づいてないの?」
「なんの話?」
屋上でお弁当を食べていると不意に紗綾に問いかけられた
「神田川くんのことだよ!」
「神田川?」
なんの話かさっぱりわかっていないわたしを見て紗綾がはぁとため息をつく
「だからゆずっちは本当に神田川くんの気持ちに気づいてないのかってこと!」
神田川の気持ちとかなんのことだろうか
わたしをからかって楽しんでいる気持ち?
そんな気持ちのことなら知ったこっちゃない
「あいつの気持ちなんてわたしが知ってるわけないでしょ?なんのことかさっぱりなんだけど」
「ここまで鈍感だったとは…」
「?」
神田川の気持ち
よくわからないけど紗綾によると神田川はわたしに抱いている気持ちがあるらしい
特に知りたいとは思わなかったので深くは追求しなかった
その日の放課後
わたしは先生に頼まれて資料を運ばなければならなかった
こんな大量の資料をどうやったら女子生徒一人に頼む気になるのかわからない
「こんなの一人でできるわけないじゃない…」
途方に暮れつつもやらなければ終わらないのでとりあえず資料を抱えて歩きだす
「おもっ」
積み重なった資料で足元がふらつく上に前がよく見えない
「きゃっ!」
ふらついた足がからまって転びそうになったわたしを誰かが支えてくれた
「あの…ありがとござ…神田川!?」
振り向くとそこにいたのは神田川冬真
わたしを助けてくれたのはどうやら神田川らしい
「大丈夫?柚希ちゃん。ケガとかない?」
「な、なんで…わっ!」
「うおっ!」
持っていた資料の重みでまたふらついてしまった
今度は神田川のほうを向いた状態で
さすがの神田川も突然すぎて支えきれない
そのまま神田川こど押し倒す形になってしまった
「いてて…神田川ごめん!大丈夫?」
神田川と重なった姿勢のまま問いかける
「ゆ、柚希ちゃん…近い…」
「へ?あ、あぁごめん」
そう言って神田川から離れる
「いや、大丈夫…柚希ちゃんこそ大丈夫?」
「わたしはなんとも…神田川顔赤くない?大丈夫?」
神田川の頬はいつもよりか赤らんでいるように見えた
「だ、大丈夫!なんともないから!それより資料…」
「あ!はぁ~片付けなきゃ」
二人で散らばった資料を片付け始める
いつもはうるさいほど話しかけてくる神田川はこのときだけはやけに静かだった
赤らんだ顔を隠すかのようにずっとうつむいていた
「はい。これで全部。」
「ありがとう。」
「じゃあ俺はこれで」
「うん」
神田川はそそくさと帰っていった
なぜ神田川が顔を赤くしていたのか
わたしにはわからなかった
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