第2話 あいつが会話する理由をわたしは知らない
神田川がテストを受ける理由がわたし…
まったく意味のわからないことを言われてしまった
神田川は何かとわたしにつっかかってくるやつだ
正直言ってウザったいし苦手なタイプだ
そんなやつのテストを受ける理由がなぜわたしなのか…
心あたりがまったくない
「わたしは無意識に不良を更生させていたのか?
だとしたら意外な才能が開花したものだ」
「ゆずっちたぶんそれ違う…」
「…他に思い当たらないんだけど」
「鈍感さんなんだなぁゆずっちは
こりゃ神田川くんがかわいそうだわ」
「?」
わたしは首をかしげることしか出来なかった
いくら考えても答えが見つからない
もやもやしてるのは好きじゃない
ここは本人に…
「やぁ柚希ちゃん!呼んだ?」
呼んでない
いや、呼んだけど
まだ呼んでない
なぜ分かったんだ
ここまでくると気持ち悪いぞ
狙ったかのようなタイミングでわたしの前に神田川がやってきた
まぁちょうどよかったからよしとしよう
「神田川、あんたに聞きたいことがあるんだけど」
「なになに!?柚希ちゃんがこんなにちゃんと返事してくれるなんて!なんでも答えちゃうよ?俺と柚希ちゃんね間に隠し事はなしだからねっ!」
お前に隠し事をしないなんて言った覚えはない!といいたいところだがとりあえず今は無視
「じゃあはっきり答えてもらおう…
お前が急にテストを受ける気になったのはなんでだ?」
「それは…」
「それは?」
「柚希ちゃんわかんない?」
「あんたの気持ちなんてわたしがわかるわけないでしょ?」
「…そうだよね。気分だよ!き・ぶ・ん!」
「はぁ…あんたに聞いたわたしがバカだった。わかった。ありがとう。」
そう言ってわたしは自分の席についた
「予想以上に鈍感だなぁ柚希ちゃんは…全然気づいてないんだ俺の気持ち」
「ん?なんか言った?」
「ううん。なんでもないよ。柚希ちゃんは今日も可愛いなって思っただけ」
「か、からかうな!まったく…」
なんで神田川はわたしに絡んでくるのか…
何が目的なのかわたしにはさっぱりわからなかった
このときのわたしは神田川の気持ちになんてこれっぽっちも気づいていなかったのだ
お昼休みになると決まってあいつが来る
「ゆ~ずっきちゃん!俺と一緒にお昼食べよ?」
「無理。紗綾と食べるから。」
「そんな冷たいこと言わないでさ~。野上はいいよなぁいっつも柚希ちゃんと食べれてさぁ。」
「当たり前でしょ。紗綾は友達なんだから。」
「俺は?」
「クラスメイト」
「俺と柚希ちゃんは愛し合う仲でしょ~」
「…は?」
「俺は好きだよ柚希ちゃんのこと」
いつになく真剣な顔で言われてしまった
不覚にも一瞬ときめいてしまったじゃないか
こいつは神田川だ
どうせ他の子にも同じようなことを言っているのだろう
「その冗談笑えないから。そういうのなら他の子に言ってあげて。行こ紗綾。」
「え?あぁうん。ごめんね神田川くん。今度二人でご飯食べれるようにするから!」
紗綾は去り際に神田川にそう言って行った
もちろんわたしに聞こえないように
「本気…なんだけどな」
そんな神田川の声はわたしには届いていなかった
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