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強者どもは四人いる  作者: 麟凰
序章
8/18

8 秘密基地 Side玲人 ②

事の発端は昨日の拯の一言からだ。



「秘密といえば?」



学校から帰っている途中、拯が突然質問してきた。

いきなり何を聞いてくるのかと思えば……。



「儀式」



ノリのいい結揮がゲームをしながら即座に答える。

同じではつまらないな。



「文章」



俺も本を読みながら間髪入れずに続けた。

さて、彰はどう出る?



「会合」



そうきたか。

ボールペンを指で回しながらの答えを聞き、感心する。

だが、どの答えも拯のお気に召さなかったようだ。

地団太を踏んで反論してきた。



「違うだろ!? もっとこう、わくわくするような響きの単語があるだろう?!」



ないな。

そう思ったのは俺だけではなかった。

結揮は首を傾げ、彰は唸っている。

二人とも心当たりがないようだ。

俺達が疑問と否定を示すと拯が喚き出した。



「だぁ~~~!! き・ち!! 基地だよ!! 秘密基地!!!」



……声がデカい。近所迷惑だ。

そもそも、秘密=基地という発想がよく分からない。

俺にはついていけない思考回路だ。

だが、ここで肯定しておかないとまた煩くなる。



「「「あぁ~」」」



考える事は三人とも同じで投げやりな声がハモる。

拯が興味あるふりしろだのなんだの嘆いているが、知るものか。


結揮が拯に突っ込んだ。

折角だから俺も言わせてもらおう。



「結揮と彰がどう思っているのかは知らないが、少なくとも俺は興味ない。ついでに言うと、お前のテンションが高いのはいつものことだ」



俺の後に彰が続き、三人でトドメの一言。



「「「哀れだな」」」



拯が文句を言ってくるが無視だ。

俺は本を読むのに忙しい。

このままでは俺達三人の雰囲気に流されてしまう、とでも考えたんだろう。

拯がツンデレになった。


……何故だ。謎すぎる。

拯のツンデレに俺達の声が一糸乱れず『……キモい』とハモったのは当然の結果だろう。

拯に慣れているはずの俺達でさえも無視出来ない程、それはそれはひどいものだったからな。

拯が調子に乗る前に冷ややかな視線で精神的にダメージを与えておく。

これで少しは大人しくなるだろう。


結揮がこちら側の気持ちを代弁し、俺達にふってくる。



「あぁ。聞くまでしつこく絡んでくるだろうしな」



結揮に俺と彰が同意したことで拯はへこんでいる。

が、俺達は気にしない。

いちいち気にしていたらこいつ()とはやっていけないからな。

どうせすぐに立ち直るだろう。

結揮もそれを分かっているから、さっさと話を進める。

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