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7 秘密基地 Side玲人 ①
「……ふざけるな」
と、思わず言ってしまった俺は悪くない。
寧ろ今まで言わずによく耐えてきたと、自分を褒めてやりたい。
今の俺の状況に陥れば誰でもそう思うはずだ。
――自称親友に穴の中へ引きずり込まれ、目覚めたら異世界らしき世界にいて、賊らしき男三人に囲まれているならば。
もっと言うと名も知らない女が一人、俺の傍にいる。
これらから分かるだろうが、俺は面倒事に絶賛巻き込まれ中だ。
何故このような状況に陥っているのか、振り返ってみる必要があるだろう。