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強者どもは四人いる  作者: 麟凰
序章
5/18

5 秘密基地 Side拯 ⑤

以上、回想終了。


つまり今日が秘密基地へ行く日なため、さっきから険しい山道をひたすら歩いている訳だ。

そして、いくら歩いても目的地へ着かないため、冒頭の会話に至る。


カオスだ……。

何がかって?そりゃあ、今の俺達の状態がだ。

まずは俺の後ろにいる結揮。

比較的元気だが、なぁなぁしか言わなくなってきている。

次に結揮の後ろにいる彰。

普段からあまり喋らないというのに、今は全く喋らなくなってしまった。

そして俺。

疲労は許容量を超え、足が微かに震えている。

一度でも立ち止まったら、その場から絶対動けなくなる。

確信をもって断言出来る。


それなのに……。


おかしいだろ、玲人!!

何でお前は普段と変わらないんだよ?!

俺達三人とも汗だくになっているのに、玲人は汗をひとつもかいていないとかどうなってんだ!?

しかも先頭を歩いてるし!

お前、興味なかったはずだよな?!

このままだと、最初に玲人が秘密基地へ着くんだが!!

いや、俺達の中で一番余裕があるからだってのは分かるんだぞ?

分かるんだが……。

なんか納得いかねぇ。

俺が見つけたんだぞ?

普通は見つけた奴が他の奴らを案内するために、先頭を歩くんじゃないのか?

秘密基地までは一本道だから、ぶっちゃけ案内とか要らないんだが。

……やっぱり納得出来ん。



「……ん?拯、あれか?」



俺の気持ちを知らずに聞いてくる玲人。

……まぁ、いいけどさ。玲人だし。

先頭を歩くのは譲るよ。

これが結揮だったら許さないけど。彰はそんなことしないしな。

必ず俺達の殿(しんがり)だ。



「そうだ。彰、結揮、着いたぞ。……ここが俺達の秘密基地だ!!」



玲人に応え、改めて秘密基地を眺める。

……やっと、玲人達と来れた。

感慨深いな。



「突っ立ってないで早く入ろうぜ!」


「そうだな……」


「拯。ここからはお前が先に行け」



結揮と彰の声に押され、三人より一歩前に出る。

玲人の何気ない気配りが嬉しく、思わず笑みがこぼれる。

……玲人のこういうところが好きなんだよな。

女は勿論だが、男にも惚れられる理由が分かる。

細かな気配りができ、こちらの顔を立ててくれる。

男らしいし、喧嘩となれば敵う者がおらず強い。

冷たい態度とは裏腹に義理堅いし。

まぁ、玲人だけじゃなくて彰も結揮もいい奴なんだけどな。



「分かった。行くぞ!!」


「「「おう」」」



気合いを入れて、俺達は秘密基地へと入っていった。

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