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強者どもは四人いる  作者: 麟凰
序章
3/18

3 秘密基地 Side拯 ③

「で、今度はどんな面倒事を持ってきたんだ?」



やや茶色がかった短髪の頭をガシガシと掻きながら、いかにもダルそうに結揮が聞いてくる。

こいつの容姿は上の下、頭の良さは中の上ぐらい。

性格は明るく楽観的。

友好的で誰とでもすぐに打ち解け、男にも女にも好かれる奴だ。



「どうせ碌な事じゃないに決まってる」



無造作な黒いミディアムヘアの玲人は、結揮の隣で欠伸をしながら容赦のない一言を放つ。

こいつの容姿は超上、頭の良さも超上。

性格は冷静・毒舌。

いつも人とは距離を置き、傍観に徹している。

周囲を客観的に観察し、自分自身にさえも無関心な奴だ。



「面倒だ……」



黒い短髪の彰は眉間に皺を寄せ、顔全体で面倒だと主張している。

こいつの容姿は上の中、頭の良さは上の下。

性格は面倒見が良く温厚。

寡黙で、自分の考えよりも他人の考えを尊重する奴だ。



「俺達、一応友達だよな……?」



短髪よりもやや長い天パ気味の黒髪を持つ俺は、三人の俺に対するあまりな扱いに恐る恐る友情を確認してみる。

俺の容姿は中の中、頭の良さは中の下。

俺の周りにいる人達が揃って言うには、『黙っていればそれなりなのに……』俺は色々と残念な子だそうだ。

性格は熱血・積極的。

人を思いやることを心掛け、目に見えない絆を大切にしている。

周りの人達曰く、『後先考えずに突っ走る』『喜怒哀楽が激しくてついていけない』らしい。


そんな色々と残念な俺に対しての三人の返答は……。



「「「一応」」」


「い、一応ですか……」



おぉぅ……。

ダチすら超えて親友だと思っていたのは俺だけだったのか……。

しばらく立ち直れな……



「でもま、拯と一緒にいると飽きないのは確かだな」と結揮。


「認めたくはないがな」と玲人。


「二人とも素直じゃない……」と彰。


「そういう彰もな」と再び結揮。


「仕方がないだろうが」と再び玲人。


「自分達は捻くれているからな……」と再び彰。


「うお~!!!」



立ち直れたぁ~!!

そうかそうか、三人とも照れているだけなんだな!!

やっぱ俺達は親友だよな!!!

俺と一緒にいると飽きない=俺と一緒にいると楽しいってことだよな!!

そうかそうか、俺と一緒だと楽しいのかぁ~。

フフフ……。



「相変わらず思考がもろに顔に出るな。騙されやすいし」と、こそこそ言う結揮。


「ちょろい」と、返す玲人。


「拯の不気味な笑いと、にやけ顔のコンビはきつい……」と、しかめっつらする彰。


「クックックックッ……」


「「「………」」」



※拯がトリップしてしまったので、ここからは第三者の視点です


人目を憚らず、不気味な笑いを声に出し始めた拯。

更にはガッツポーズをしつつ回ることを、歩きながらするという高等技術にまで昇華させている。

……ぶっちゃけ、ただの危ない人である。

そんな拯に、おもいっきりドン引きする三人。

このままでは埒が明かないと思った三人は……



「と、とりあえず、現実に戻って来させるか」



結揮が顔を引き攣らせながら言う。



「任せろ。…拯、戻れ」



玲人は慣れた様子で、拯の頭をかなり勢いよく叩く。

バシッ!!ドベシャッ!!

勢いがよすぎて地面とディープキスをする拯。



「世話が焼ける……」



こちらも慣れた様子で、彰は拯を地面から引き剥がす。

見事な連携プレーだ。



「あれ…?俺は何を…?」



※無事(?)トリップから戻ってきたので再び拯視点に戻ります


うお~!!!と叫んだところまでは覚えているんだが、そこから先の記憶がない。

俺、何してたんだ……?



「ほ、ほら、秘密基地について話そうとしてただろ?もったいぶってないで、早く話せよ!!」



どこか慌てた様子で結揮が急かしてくる。

そうだったっけ?

……まぁ、いいか。

早く話さないと玲人に何されるか分からないしな。

今だって怖い顔で睨ん――



「俺が、何だ?」


「何でもないですっ!!!」



――今日も玲人様は素敵な笑顔です。



「い、今、玲人、殺気出してたよな?」


「あぁ。言葉を区切ることで、更に威圧感が増していた……」


「絶対、敵にまわしたくないな」


「同感だ……」



結揮と彰が何か話している。

俺も混ぜてほしい……。



「拯、話せ」


「は、はいっ!!」



うぅ、玲人が怖い……。

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