2 秘密基地 Side拯 ②
「秘密といえば?」
「儀式」
「文章」
「会合」
声を発したのは俺、結揮、玲人、彰の順だ。
俺は学校からの帰り道に三人へ質問をしたんだが……。俺の予想とは全く異なる答えを返してきやがった。
「違うだろ!?もっとこう、わくわくするような響きの単語があるだろう?!」
「あったかぁ?」
「さぁ?」
「……ない」
「だぁ~~~!!き・ち!!基地だよ!!秘密基地!!!」
「「「あぁ~」」」
お前ら……。もう少し興味あるフリしろよ。っていうかしてください。
秘密基地について話したくても話しづらいだろう?!俺だけテンション高いとか、めっちゃ恥ずかしいし!!」
「思っていること、全部声に出てるぞ」
「結揮と彰がどう思っているのかは知らないが、少なくとも俺は興味ない。ついでに言うと、お前のテンションが高いのはいつものことだ」
「自覚がないのか……」
「「「哀れだな」」」
「ハモるなぁ~!!!大体、お前らのその態度は何だっ?!こっち見ろっ!!」
そう、こいつらは俺の方を見ていない。
結揮はゲームをしながら、玲人は本を読みながら、彰はボールペンを指で回しながら俺の話を聞いている。
……いや、聞き流している。
どうでもいいけど、こいつら器用だよな。
結揮と玲人はともかく、彰なんか歩きながらするような事じゃねぇし。
っとそうじゃなくて!このままではこいつらの雰囲気に流されて、俺の話が出来ないまま終わってしまう!!
ならばっ!!!
「……もういいもんねっ!!いつまでもそんな態度取るんだったら、教えてあげないんだからっ!!!」
俺のペースにもっていくためにも、ここはツンデレしかないだろう!!
ちらちらと3人を窺うのがポイントだ!
『……キモい』
おぉ、成功だ!!
三人ともそれぞれ好き勝手にやっていた事をやめて、俺の方を見ている。
だが何故だろう。
三人の冷ややかな視線が、俺の繊細なハートをズタズタにしていってるような気がする。
「どうでもいいけど、さっさとお前の話とやらを聞かせてくれねぇ?仕方ねぇけど聞いてやるからさ。な、玲人に彰?」
「あぁ。聞くまでしつこく絡んでくるだろうしな」
「まったくだ……」
どうでもいいって……。
本音を言うのはいいんだが、せめてもう少しオブラートに包んでほしかった。
いくら俺でも傷つくぞ?!