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強者どもは四人いる  作者: 麟凰
序章
17/18

17 秘密基地 Side彰 ⑤

そして今日、自分達は秘密基地へ向かっている。

思っていたよりも険しい山道を、ただひたすら歩いていく。

……こんなに険しい道だと思わなかった。恨むぞ、拯。


最初のうちは、なかなか目的地に着かない不満を言い合っていた。

不毛だと分かってはいたが、言わずにはいられなかった。

だが今は……カオスだ。

自分は「歩き疲れた……」「疲れた……」「……」「………」などと言っていたが、今は喋る気力が全くない。

なぁなぁしか言わなくなってしまった結揮の後ろで、完全に黙り込んでいる。

結揮の前にいる拯は逆ギレしていたようだが、そんな事に構っていられるほどの余裕はない。

拯の前にいる玲人は会話を適当に流すため、自分に同調していただけだ。


それよりも……絶対に玲人はおかしい。

自分達は既に一時間近く歩いている。

拯・結揮・自分は汗だくになり、前進するのがやっとだ。

拯に至っては、疲労が許容量を超えて足が震えている。

しかし玲人は汗をひとつもかいておらず、表情も普段と全く変わらない。

身体の構造はどうなっている?

……まぁ、『玲人だから』という理由で納得出来てしまうが。


秘密基地に興味のない玲人が、自然と先頭を歩く事になる。

自分達の中で一番余裕があるのだから当然だ。

その事に納得がいかないのか、拯は少し不機嫌になっている。

玲人も分かっていたようで、空気を変えるために拯へ確認する。



「そうだ。彰、結揮、着いたぞ。……ここが俺達の秘密基地だ!!」



玲人に答えた拯は、感慨深そうに秘密基地を眺めている。

早く入りたくてうずうずしている結揮に、自分も同意する。



「そうだな……」



更に玲人も、拯の背中を押すように声を掛ける。

流石は玲人。

拯に主導権をさりげなく渡したな。

拯もそれに気付いているのだろう。

笑みを浮かべながら自分達の前に出て、大きく息を吸い込む。

そして自分自身をも鼓舞するかのように、力強い声を上げる。



「分かった。行くぞ!!」



自分達三人は、それに声を揃えて応えた。



「「「おう」」」

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