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強者どもは四人いる  作者: 麟凰
序章
14/18

14 秘密基地 Side彰 ②

「秘密といえば?」



拯のこの一言が全ての始まりだった。



「儀式」


「文章」


「会合」



結揮と玲人に合わせて自分も答える。

下校中の自分達は、夕日に照らされながら道路を歩いていた。

拯は自分達の答えが気に食わなかったようで、激しく地団太を踏む。



「違うだろ!?もっとこう、わくわくするような響きの単語があるだろう?!」



あっただろうか?自問自答してみる。



「……ない」



自分だけではなく、三人とも『ない』という結論に達した。



「だぁ~~~!!き・ち!!基地だよ!!秘密基地!!!」



自分達の否定を聞いた拯は、大きな声で騒ぎ出す。

……五月蝿い。

大体、どうしたら秘密→基地という発想になるのだろう?

全然分からないが、肯定しておかないとまた五月蝿くなるな。



「「「あぁ~」」」



皆考える事は同じだ。

自分達の投げやりな返事に、拯が何やらブツブツ言い始めた。

……全部聞こえているぞ。

すかさず結揮がツッコミを入れ、玲人は拯の呟きをバッサリと切り捨てる。



「自覚がないのか……」



自分も一言付け加え、仕上げに三人でトドメを刺す。



「「「哀れだな」」」



それを聞いた拯は文句を言ってくる。

まぁ、無理もない。

自分達はここまで、拯の方をちらとも見ずに会話してきたからな。拯は寂しいのだろう。

しかし、自分達は敢えて無視をする。

相手にしすぎると、拯は調子に乗るからだ。


結揮はひたすらゲームをしているし、玲人は文庫本を読んでいる。

自分は新しい技を習得すべく、ボールペンを指で回している。

それにしても二人は凄い。

結揮の指は霞んで見えるほど高速で動き、玲人は難しい単語が出てくる本をスラスラと読んでいる。

自分も新技の『五回転大車輪』を完成させ、二人に負けないようにしなければ。

そう思い黙々と練習していると、血迷った拯がいきなりツンデレになった。

……何をやっているんだ、拯?



『……キモい』



自分達の声がピッタリ重なったのは必然だろう。

手を止め、邪魔をした拯を冷ややかに見る。

玲人の視線に至っては、氷点下五十度くらいある。

玲人は結揮の言葉に、仕方ないといった様子で同意する。



「まったくだ……」



自分も玲人の言葉に賛成した。

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