EFO公式大会げんちれぽーと①
※こちらの作品は 高鳥瑞穂様の『「そんなの、ムリです!」~ソロアサシンやってたらトップランカーに誘われました~』の二次創作になりますm(__)m
思いついたネタを書き殴ってみたので、敬称・設定諸々が無茶苦茶になっているのでご了承ください。
大会第一試合のセリス戦後 楽屋に居るニンカ視点
……そんな想定で思い付き、分からない部分をぶん投げて書いていたら色々と違うナニカになっていました_(:3 」∠)_
社会人的にダメだろとか、ネタ的にどうなのとかは重々承知しています。
「……これでできたかな?」
「OK?あーあー、聞こえてる?」
「こっちも確認できました、大丈夫そうですよ」
控室の一角に用意した場所。
私達のチャンネルロゴを映す大きなモニターを挟んで、一方に車椅子姿のあたしが、反対側に相棒の座るように置いた一人掛けのソファーが。
正面を見れば何かあった時の放送用にと、持ち込んでいたカメラなり機材を設置し整えたドリアンが居て。
「おおおー、すっごい弾幕w」
「そりゃあ今が一番盛り上がり始めた所だろうからな」
相棒もゆっくりとカメラの前に出て来てソファーに座る。
正面にあるモニターと手元のタブレットに映るコメントの勢いは、普段とは桁違いの反応を見せている。
「……さてと、聞きたい事も言いたい事も山程あるだろうけど、まずは挨拶からさせてもらおうか」
「そうだね」
まだ見慣れぬスーツ姿のグライドと、一度頷き合ってからスイッチを入れる。
「改めましてこんにちは、サザンクロス所属・琥珀の窓のニンカです!」
「同じくサザンクロス所属・琥珀の窓のグライドだ」
:誰だこの美少女!?
:かわいい
:カワイイ!
:出たな問題児2号!!
:なんでそんなとこに居るんですかねえ!?
:スーツ姿イイねえー
あまりにも早すぎる流れの中から、ドリアンの拾い上げたコメントが提示され思わず笑ってしまう。
「えっと……ありがとね!」
「俺との差よwまあニンカが可愛いのは間違いないけどな」
直球の賞賛に慣れていないからわざとらしく胸を張って笑って見せたけど、隣で調子の良い事を言っているせいでコメントの勢いがまた荒れる。
「さてと、何で告知も無しに配信を始めたのかは、タイトルの方を見てもらえたら分かるかな?」
「今日の今だし、俺達のリスナーで通じない相手はいないだろw」
「デスヨネー」
わざとらしく話を振ってみたら、ツッコミ7割・ボケに走るのが3割位の反応が起きている。
「あたし達は今、EFOが開催中の第五回PVP公式大会が行われている会場、『西生寺VxRリゾートホテル』に来ています!」
「そしてここは出場選手に用意されていた控室の一つ、サザンクロスのメンバーが集まる部屋の一角だ」
:おおおお
:イイナー ウラヤマ
:だから実写なの?
:そもそも問題児2号がなんで現地に???
「俺のポジションがシレっと固定化されてるw」
「まあしょうがないんだろうけどww グライドの話から先にしておく?」
「ああ、そうしないと進みそうにないからな」
あたしの方へ一瞬視線を向け、改めて相棒は真剣な表情をカメラへと向ける。
「この度、春からベートモビリティシステムズに入社する事になりました。今回は提携先であるEFO様の開催するイベントにおいて、大会へ出場する車椅子プレイヤーの介助役を務めるべく、出向という形で会場スタッフの一員として参加する事になりました」
:ファッ!?
:おおおおおおお
:おめでとおおおおお!!
:なんとなく分かってたけど情報多いな!?
「ちなみに今回、車椅子プレイヤーの参加者はあたし一人です!」
:www
:wwww
:草
:言い方w分かっているけど言い方ww
:専属として旦那を連れてきてるww
すかさず差し込んでみたら、気持ちのいい反応が返って来る。
「もっと言うと、BMSはあたしがずっとお世話になっている会社でもあります」
:!?
:!!?!
:わーお
:ああー
ぽんぽんと「あたしの足」を叩いて見せると、激しかったコメント欄が少し揺れた。
その反応に苦笑しつつも、このままの流れでネタばらしも進めよう。
「まず初めに、あたしはゲームの中である程度活躍してきて、大会やイベントに参加する機会があっても、リアルでこういうイベントに参加するのは生まれて初めてでした」
「これはそれぞれの立場からしても同じだったみたいで、大会運営側は『車椅子プレイヤーの参加を応援・尊重したい』けど具体的な方法や経験が足らず、BMS側からも今回を契機に様々なサポートをしたいけど現場に送り出す人員が決まらず、ホテル側も試金石となる重要な大会参加者へのサポートには万全を喫したかった」
スラスラと並べてみたら、コメント欄の方も目に見えて落ち着いて来る。
「そんな経緯で、大会への参加が決まった後の事前の打ち合わせを進めている所に、あたしの身内で、介助の資格と経験を持ち、運営側にもある程度顔の利く新入社員君が転がり込んできたって訳ですよ」
「だから俺の扱い方w」
:wwww
:wwww
:wwwww
:コレハヒドイw
:草
:わー、なんて便利な人材なんだあ(棒
「そう言う訳で、グライドはお仕事としてあたしが会場内で活動するためのサポートをしてくれています!」
「色々と事情があって、周りにも最低限しか事情を説明していなくて、最初の任務を達成できたから事情説明を兼ねてここに来ています」
:なーるほどー?
:これは迂闊に漏らせませんねえ……
:自社、取引先、顧客……無理っすね(
:グライド、お仕事中に配信してるの??
「今回の切っ掛けはあたしの事情になるから、とりあえず次に説明するよー」
一通り説明が済んで、リスナーからもちょこちょこと質問が飛んで来る。
:つまり今後の大会で運営に頼めば、グライドが手伝ってくれるってこと!?
「ああー、それは正直まだ分かりません。今回はたまたま都合の良い二人が揃ったから、お試しも兼ねて色々と準備を進めてきているので」
「それにこれから車椅子プレイヤーの参加者が2人になったり3人になったりする事も考えたら、どう見積もっても単独での対応は不可能なので、どういった形でサポートするかは必ず全体で相談する形になるはずです」
「あたし一人でも結構大変だしねえー、介助を希望する人は運営とホテル側に説明と申請をして、色々と調整を済ませればきちんとした対応をしてもらえるので、まずは運営の方へ問い合わせてみてください!」
:なるほど
:そうなるのも当然か
:そういうとこEFOは凄いよなあ……
:気になったんだけど、今後もリアルの大会を開く時にはグライドは出れないの?
:たしかに
:今回は特例?次回以降は??
「ああー、その辺も実際に進んでみなければ分からないな」
「どういう大会になって、どんな予選になるかだもんね」
想定問答の一つが来たので、そちらへの返事を進めてみよう。
「公式大会が次も行われるとして、ソロ・ペア・チーム戦と選択肢はいくらでもあるんだよなあ……」
「そこにシード選手として優遇されるか、今回みたく地獄の予選を潜り抜けるか」
「ほぼ予選からの参加になるけど、ソロ+チーム戦みたいになればそれはそれで話が違ってくるだろうし」
こっちの予想を投げてみれば、様々な反応が見れて思わず笑った。
「兎に角、死に物狂いで参加チケットを手に入れる事ができたら、会社の方には頭を下げて頼み込むのは確定してるな」
「それはそうw」
遠い先の話になるけど、今度はまた別の形で参加してみたい。
「……さてと。一応グライドについては理解してもらえたかな?」
他にもあればと思ったけど、視聴者からのグライドに対する『なぜ?』は一応解消できたらしい。
「それじゃあ次はあたしの本題、この大会に参加して『気づいた事』と『思いついた事』について説明するね」
:おおー
:……そういやまだ話が進んで無いのか
:まあだいたい問題児2号のせいだし
:ニンカの出番って割と先だよね?
「それはその辺でw 今回あたしは大会本戦とは違う企画『20秒チャレンジ』に挑むため、色々と頑張って準備し工夫し、様々な事を試しながらここまで来ました」
:本当に頑張っていたよねー
:一時期凄い事になってたよねw
:目指せ優勝!!
……この辺の反応はあたしのリスナーかな。
「そして会場に辿り着き、改めて事前の説明・マシンの試乗・リハーサルを経て、昨日の前夜祭に今日のオープニングとなりました」
:ほうほう
:こうして聞くと割と慌ただしいねえ
:滞りなく回すためのしんどさと言ったら……
「ようやく大会の幕が上がって、トップバッターである問題児1号の大暴れがついさっき起きてぇ」
:wwww
:wwwww
:ツッコミ所しかない美少女(ガチ
「そして改めて気づきました……この大会で、あたしはものっっっっっすごく待つことになります!!」
「言い方ww」
:www
:wwww
:あっ(察し
:草
:応援とかサポートとかしてもろて
:サザンクロスなら現地にそこそこ居るんじゃなかったっけ?
思わず前屈みになったりしつつも、言いたい事をぶちまけると反応も増えた。
「あたしもね?今回の日程は分かってたし、あらかじめこうしたいなあーってスタッフ含めて皆に相談してきたんだよ?」
あたしの言い分に対して『なぜ?』が噴き出てきている。
「だけどいざこの場についてみたら、リーダー達は出ずっぱり、本戦出場組は目の前に迫った本番に備え、勝てたらその先の対策に全力で集中してもらいたいし、仮に負けたとしてもその直後にこっちの事情に巻き込むような事もできないわけで」
「皆の応援は非公開になるかもしれないけどもちろんするよ? ただトップバッターのセリスが終わって、ハムさんとねむ蝉の出番が中盤位、トラキチの出番が最後の方って考えたら、空いてる何時間もの間サポートに回り続けるってのもどうかなあ……ってなった訳で」
:たし蟹
:それはそう
:ちゃんと配慮できてえらい
:本戦は長丁場なんだけどなあ……
「ちなみに出番が複数回、初日の昼・夕と二日目のどこかに……となった場合でも、それぞれで挑戦するまでと20秒+その後を含めても、個人の尺で各3分とありません!!」
:wwww
:wwww
:草
:コレハヒドイw
思いの丈をぶちまけてみたら、思いの外ウケてくれたらしい。
「そういう訳でこれからどうしよう?って、グライドと一緒に少し考えて、ホテル側や大会の関係者に確認を取れたので、この配信を始める事になりました」
画面に流れるコメントの中でも、こちらの意図に気づいてくれた反応もいくらか見えた。
特に予備動作も付けずに車椅子を少し前進させ、カメラの前の開けて置いたスペースで右回り、左回りと動かしてから元の位置にバックで戻ってみせれば、コメント欄にも色んな反応が起きる。
「……御覧の通り、あたしは長いこと車椅子を使っているユーザーなので、『その目線からこの大会はどう映るのか?』って所をお見せするべく、西生寺VxRリゾートホテルを探索してきた映像をお届けしてみたいと思います!」
モニター側に隠して置いたカメラを取り出し、分かりやすいように掲げてみせる。
:おおおお
:情報助かる
:皆が昨日から色んな話を出して盛り上がってるよねえー
:車椅子視点だと確かにニンカにしかできないのか
ホテル側としても注目の集まるこの大会だからこそ、捕まえられる客層へのアピールは逃さない。
そんな意図も込められた流行りに、乗っかってみようと思ったから二人で慌てて準備も進めてみた。
「ちなみに、この企画はぶっ通しで配信するつもりは無くて、短時間でも出来そうなタイミングを見つけながらになるんで、各自で自分の見たい大会本戦の応援・観戦を優先してもらって大丈夫だからな」
「今回のイベントについてはなるべくそのまま残していくから、配信を見逃しても大丈夫だからそのつもりでー」
……裏で勝手に始めるのだから、最大限配慮できる事には気をつけるべきだろう。
コメント欄の方でも興味を持ってもらえた層、そこまで興味は無かったけど一応注目してくれている層、サザンクロスのファン枠の他にも多種多様な反応が見て取れるけど、最初からあらぶっている人達への対処もいい加減必要だろう。
「……と言う事で、本来ならここから用意した話題に入って行く、つもりだったの で す が」
:うん?
:???
:おっと?
:なんだなんだ
わざとらしく話を振ってから、右手を持ち上げ人差し指を伸ばし上へと向けてクルクルと振ってみる。
「大会が始まった直後から話題を一人で独占し、大会参加者だけに関わらず色んな方面から問い合わせを殺到させ、サザンクロススタッフが泣いて白旗を上げる事態を引き起こし……」
:あっ(冊子
:wwww
:ドリアンかわいそうwww
:ktkr
「あまつさえ注目が一番集まる大会の初戦で、人気の高いアイドルゲーマーである対戦相手を一蹴して見せた!彼女についても触れておきましょう!!」
「なんでそんなに荒ぶってるんだよww」
「……いや、なんとなくだけどw」
ビシッと画面から見たら変な角度を指し示したかっこうだけど、画面外から終始かぶりつきでこちらを見ている相手がビクッとしたから良しとしよう。
:wwww
:そっちに居るのねww
:草
:一番聞きたかった事だけどww
:なんでセリスちゃんも出演しないの?拒否られた?
「理由としてはさっき挙げた事もあるんだけど、『どうしてもこの回のお二人の邪魔だけはしたくありません!!』って頑として譲らなかったんだよねえ」
「普段からは想像できない態度だったよなw」
:www
:wwww
:分かってらっしゃるw
:流石セリス師匠!
ウケてる反応は分かるけど、ちょくちょく変な反応も混ざっているような……。
気を取り直して、一つ頼まれていた話題にも触れておく。
「話に触れる前に一つサザンクロスからの連絡で、現在関係各所からの問い合わせが殺到しすぎて、個々への対応が困難な状況になっております。少なくとも現在開催中の大会が片付くまでは対応が不可能なので、諸々の返信が遅れる事をご了承ください、との事です!」
「セリスが現れた事による反響が過去一荒れまくっていて、どの位で片付けられるか目処も立たない……って泣いてたからな」
:wwww
:ガチで泣きが入ってるw
:草
:残念でも無いし当然ではあるんだけどww
:サザンクロスで一番って中々酷そうだけどww
大会のサポートに、新事務所の設立、普段の活動にリーダーとロイドの現場でのフォローと、まず間違いなくサザンクロスのスタッフはこの場に来ているどこよりも振り回されていた。
そこに来て伏せられていた爆弾がドカンである。
……他人事なのには正直ホッとしていた。
「スタッフへのご褒美は然るべき所がやってくれると信じて、セリスについては……想定通りだし、想定以上だったりで何というべきやら」
「俺の事もちょこちょこ話題に上がっているけど、どう見てもおまけ扱いだったしなw」
今回グライド一人に視線が向けば、事情を知らない相手から色々な難癖も降りかかるだろうけど、相棒は正式な役割を勝ち取ってこの場に来ている。
それに比べて彼女はギルドに所属し実力も知れ渡っているけれど、現実的な立ち位置もその美貌さえも曖昧だったせいでこのざまだ。
手伝う手段があるのなら、フォロー位はいくらでもしよう。
「そもそもの話、サザンクロスのメンバーの一部はこの前会ったギルドのオフ会で初めて生セリスと会って、それはもう色々と分からされました」
「言い方があれだけどw これ程の美人が颯爽と本番の会場に現れたらどうなるか、本人からあまり目立ちたくないとのお願いも合わせて、ギルド全体で箝口令がしかれていたからこんな事態になりました」
:そりゃあ当日にいきなりあんな形でお出しされたらwww
:なお出場者以外が本気で振り回されている模様
:大人達の形振り構わなさは話題になってるよねww
「ちなみにセリス自身は、『平凡な自分がプロの方達から本気で言い寄られる訳ないじゃないですか』なんて宣って、この大騒ぎを本気で理解していません!!!」
:???
:????
:?????
:なんて???
:……ええ??
:そんな事あるぅ??
?の弾幕に覆い尽くされる画面に、相棒と目を合わせて思い切り笑ってしまった。
「彼女自身が独特なのは間違いないだろうけど、『目立ちたい・賞賛されたい』って類の欲求とは縁遠いタイプだろうから、正直昨日見つけてお近づきに……ってのはただただ時間を無駄にするだけだと思う」
「自称平凡な美少女様も、さっきからの流れを見せつけられて、あっちの方で身悶えしてるよー」
すいと指さす様子に、今度は笑いの弾幕が流れて行く。
:自称平凡(芸能関係者大混乱
:自称平凡(前回公式大会・初出場4位入賞
:自称平凡(ワールドレコード複数保持
:自称平凡(トップギルド躍進の起爆剤
:……よし、普通だな(白目
「www そうそう、普通に客観視するまでも無いはずなのにねえー」
「自身の非凡さと美しさについて、本当にどこまで理解してるのか全然分かんねえもんなあ」
列挙される言葉の数々に呆れつつ、当人の居る方へ顔を向ければ机に突っ伏している。
「そういう流れで、俺達サザンクロス側にしてみればセリスが大会全体を搔き乱す、そこまでは既定路線だったんだが……」
「原因は分かってる、分かってるんだけど……本当にどうしてああなったの……?」
:www
:なんで一番の身内が混乱してるん?
:……ええ??
:解説席のりーだー君も大概酷かったゾ
「……端的に言えば、同じギルドであってもどこかでギルメン同士の衝突がありえるから、ネタバレ防止のためにもバラバラに動いてたんだよ」
「○○をしたいから手伝ってーって呼ばれたら喜んで手伝うけど、それぞれがやってる訓練や研究は基本ノータッチだったし」
「俺達でもトラキチの動向なんて何も聞かないし、前回大会の俺らの必殺技も完全に隠し通せた、って言えば分かりやすいかな?」
:なーる
:その辺きっちりしてるよねー
:仲間であり強敵かあ……
:一回戦……予選落ち……うっ頭g
「ちょっとww そう言う訳で、あたし達でもセリスがアネシアと色々準備してた所に、予選で諦める事になったぽんすけを口説き落としてコーチングを頼んでた、って認識に落ち着いててぇ」
:セリシアコンビ!!
:あの二人本当に仲が良いんだなw
:……うん?
:…………
:鬼才×天才
:……答え出てるううううう!!?!
:誰がそこまでしろと!?別人だったじゃん!!?!
「まあ……」
「そうなるよねえー」
再度コメント欄が爆発する様子に、二人揃って苦笑しながら少し待った。
「まず前提として、『あのセリスが』大会優勝・チャンピオン挑戦を掲げて修行を始めました! ……さてどうなるでしょう?」
:わ、わあ…………
:ヒエッ
:((((;゜Д゜))))
:凄く楽しみだなあ(震え声
「その話も物凄く気になるんだけど、それはいずれセリス本人に語らせるとして、あたし達が本当に驚いたのはその後なんだよね」
「あれはなあ……」
:!?
:!!?!
:これ以上に!?
あたし達の発言にコメント欄が一層ざわつく。
「一回戦が終わった時、俺達も本気で驚いていたんだが会場の反響が酷過ぎて、セリス本人も控室に逃げ帰って来たんだよ」
「こっちも内心困惑してたけど、戻って来たセリスを本当に祝福してたら、セリスの方は『なんとか勝てましたー、二回戦も頑張りますね!』っていつも通りな感じで返してきたんだよね」
:……?
:……??
:それは普通なのでは?
「待ちに待った大会本番、よりにもよってトップバッターっていう大役で、格上と目されていた有名人を相手取って、あれだけの大太刀回りしてみせた後にケロッとしてたんだよ」
「アレができる事が今のセリスにとって特別な事じゃない、当たり前なんだ……って考えてみたら、どう?」
:…………
:…………
:………………
:((((;゜Д゜))))
:現在進行形でオルタナの方が慌てふためいている話してもいい?
「んぐw」
「ぶっw ……何してるんだよベテラン配信者様がww」
コメント欄が固まってしまったタイミングで、想定外の方向から弾が飛んできた。
:別に偵察云々じゃなくて、あっちのギルドで集まって『皆で一緒に応援しよう!』って配信を流してて
:おるくんはもう現地でスタンバってたんだけど、トップバッターのセリスちゃん頑張れー!ってゆるい形で応援してたのよ
:和気藹々とした応援観戦だったんだけど、途中から『……あれっ?』って空気になっちゃって
「これはひどいw」
「分かるけどw言ってる事は分かるけどww」
語り口が上手いからか、あたし達も視聴者も引き込まれていた。
:そんでおるくんが勝ち上がった後、速攻で『セリス対策会議』が始まって一気に迷走し始めて、二人の配信に気づいて大混乱してる ←今ココ
「www そうだよねw次の対戦相手目線だとそうなるよねww」
「セリスの真価が問われる上で、本当の意味で注目される対戦の相手がおるさんかあ……物凄くやりたくないよなw」
「あたしでもこれまで以上に何されるか分かんないセリスの相手とか嫌だよw」
:コレハヒドイw
:まさかの不憫枠2号w
:RIP……
:ムチャシヤガッテ……
そこから暫くコメント欄が盛り上がる様子を眺めつつ、笑いが治まった所で一旦話を切り上げようかなと思う。
「さてさて……このまま色々と予想するのも楽しいけど、このあと本戦でセリスがどんな戦いを魅せてくれるのか!はたまたおるさんがどれだけ抗ってくれるかを楽しみに待ちましょう!」
「……おるさんが挑む側なのに違和感があるけど、本当にどうなるか見当もつかないからな」
「これだからセリスの試合は面白いんだよねw」
ふとドリアンの方へ目を向ければ、自分の腕時計を指さすような仕草をしていて……
「……ああー、だいぶ話し込んじゃったし、ここら辺で一旦止めて、休憩を取ってから本題に移ってみようか?」
「そうだねー、セリスの話まで入れると脱線するのは分かってたけど、本当に長引いちゃったね」
:了解です!
:ええーって思ったけど、本当にだいぶ経ってるんだなw
:本戦の方もだいぶ盛り上がってるよー
「本戦も見所ばかりだしねー、皆が面白いと思った試合とかがあれば教えてねー!」
「良い試合の観戦というか分析も面白そうだが、絶対時間が足りないよなw」
「やるなら大会後だね、それじゃあまた後でー!」
……そんな感じでゆるく締めた配信だったけど、セリスの事を調べていた層に拾われて想像以上の視聴回数に跳ね上がっている事に気づいたのは半日ほど経ってからだった。
配信風?の書き方を試してみて、意外と書きやすかったです(爆増する文字数から目を逸らしつつ
セリス(第一試合) 奇策少なめ・テクニックで翻弄し圧勝 ……位の想定でした
EFO関係者一同 「「「「「なんじゃこりゃああああ!!?!」」」」」
セリスの事知らない層 「「「「「この娘SUGEEEEEEE!?」」」」」
『アイドルゲーマー VS 美少女JK戦』なる動画が当たってお祭り騒ぎに ←今ココ




